梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

2008-01-01から1年間の記事一覧

中田英寿さん必見

先日も紹介した「BS世界のドキュメンタリー」の「アフリカ支援は甘くない」のシリーズを毎晩見ていたのだが、期待したとおり実に素晴らしい内容だった。どこが素晴らしいかというと、・「自分もやりがいを感じ、現地の人たちにも感謝され、しかも将来の自立…

GJ!

先日紹介した「皇甫平」によるチベット問題についての論説ですが、なんとふるまいよしこさんが全文を訳してブログで公開されています。必見かと。 http://wanzee.seesaa.net/article/95639796.html#more

補足

クルーグマンの主張に関しては以下も参照のこと。 http://d.hatena.ne.jp/kmori58/20080105/p2 http://www.nytimes.com/2007/12/28/opinion/28krugman.html?_r=1&oref=slogin http://gregmankiw.blogspot.com/2007/12/krugman-on-trade.html

中国との貿易は「格差社会」をもたらすか

表題のテーマをめぐって、興味深い論争がアメリカの経済学者の間で行われているようだ。 元ネタであるこの記事によると、「中国との貿易(つまりは経済のグローバル化)は国内格差を拡大させる」という立場の代表的な論客としてあげられているのが誰あろうPa…

皇甫平、チベット問題を論ず

今日気がついたのだが、中国のリベラル勢力を代表する経済誌『財経』のウェブ版になんと「皇甫平」名義によるチベット問題を論じる論考が掲載されていた。http://www.caijing.com.cn/todayspecx/cjkx/2008-04-30/58921.shtml http://www.caijing.com.cn/toda…

初体験

疾駆する草原の征服者―遼 西夏 金 元 中国の歴史 (08)作者: 杉山正明出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/10/21メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (9件) を見る「他民族国家中国」について少しでも理解を深めようと、恥ずかしながら初め…

「可視化される他者」とナショナリズム

例えば、大澤真幸氏は、ナショナリズムの「起源への関心」について次のように述べている(『ナショナリズムの由来』377ページ)。 ナショナリストは、ネーションの起源を、ネーションの領域からいくぶんかずれた外側に―いわば隣接的な外部に―見出す傾向があ…

GWもNHKのドキュメンタリーで

「アフリカ支援は甘くない」のシリーズは面白そうですね。しかしそろそろHDDの残り容量の心配をせんといかんな。 BSドキュメンタリー 議会制民主主義がやってきた 〜ブータン王国の模索〜 BS1 4月29日(火)午後10:10〜11:00 BS世界のドキュメンタリー<シ…

長野からのメッセージ

といっても聖火リレーともチベットとも全然関係ない話ですみません。『信濃毎日新聞』で長期連載されている「石原吉郎 沈黙の言葉」という記事(写真)の紹介である。

ウジとか姓とか苗字とか

id:sumita-m:20080419経由で以下のエントリを知る。http://sicambre.at.webry.info/200802/article_7.html http://sicambre.at.webry.info/200804/article_17.html 特に以下のような指摘には目からウロコが落ちまくり。 このイエ制度を前提とする日本列島の…

『盲山』

この作品は、先月中国に行ったときにDVDではなくてVCDを書店で買ってきたものである。このことからも分かるように、この作品は中国国内で上映された、れっきとした当局の検閲済みの作品である。しかしその衝撃度は上映禁止になった作品に勝るとも劣らない。…

禁じられた映画たち

あまり脈絡もなく、春休みにDVDで観た中国映画を何本か紹介。 この作品はセックス描写がカットされた上で国内上映が一旦は許可されたのだが、ノーカット版の海賊版が出回ったのはけしからん、というよく分からない理由で結局上映禁止になったもの。当時の事…

香港リベラル派知識人のチベット論

世界各地で聖火リレーへの抗議行動が起こり、それに対して中国国内からの愛国主義的な反発が強まるという現象が繰り返され、事態はさながら「文明の衝突」の様相を見せている。チベット人に同情的な国際世論と一般的な漢民族の意識とのギャップは絶望的なほ…

川島真先生、アフリカを行く

http://shinriji.exblog.jp/d2008-04-03 アフリカのメディアは一般的に中国に辛口だというが、それはおそらく反政府の立場をとるからであろう。反政権、反政府となると中国批判になるのは、中国が政府や政権の中枢に集中的に接近している姿を反映している。…

『靖国 YASUKUNI』について

ふるまいよしこさんによる監督李纓(リー・イン)氏の紹介 http://wanzee.seesaa.net/article/91954227.html このような問題について、少なくともネット上での発言のレベルでは「表現の自由への弾圧を許すな」といった形式的な告発を行うよりも、「この作品…

藤井仁子編『入門・現代ハリウッド映画講義』

入門・現代ハリウッド映画講義作者: 藤井仁子出版社/メーカー: 人文書院発売日: 2008/03/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 113回この商品を含むブログ (21件) を見る 少し前にご寄贈いただきました。ご紹介が遅れてすみません。このブログにも何度かコ…

「情報戦」と当事者性、あるいはメディア規制とパターナリズム

日本でも報道されたが、数日前に、新華社通信や中央電視台などの国営メディアが一斉に「西側メディア」によるチベット報道について、写真の意図的なトリミングやネパールの写真の誤用といった「情報操作」を非難する報道を行うという動きがあった。 http://n…

追記

東京新聞によるアバ自治州のレポート。「ちべ者」さんのブログより。 http://55tibet.way-nifty.com/tibemono/2008/03/post_3c45.html 途中の集落で会ったチベット民族衣装の女性は「暴動は共産党の腐敗に対する不満が爆発したのさ」と吐き捨てた。共産党地…

アバ県について

チベット人権民主センターが四川省アバ県で死亡したチベット人の写真を公開した。死体にははっきりと弾痕が見える。残酷な写真なので直接リンクは張らないが、例えば長田幸康さんのブログで紹介がなされている。以下のハンナ・アレントの言葉を真っ先に思い…

チベット情勢

Economist記者による目撃記事。事件の背景についても掘り下げており必見。 http://www.economist.com/daily/news/displaystory.cfm?story_id=10870258&top_story=1http://同記事の日本のブロガーによるまとめ。 http://55tibet.way-nifty.com/tibemono/2008/…

追記

世界ウイグル会議の日本語版ページでこの件に関する中国当局の姿勢を非難する声明が公開されている。ふるまいさんのブログや英文ブログでも引用されていた英テレグラフ紙などの報道を踏まえた内容になっている。 http://www.uyghurcongress.org/jp/news.asp?…

中国南方航空機「テロ未遂事件」は実在したか

チベットの僧侶たちのデモを当局が弾圧し暴動化している件が話題になっているが、個人的にはそれよりも今月初めに起きた(とされる)ウルムチ発北京行きの旅客機での「テロ未遂事件」*1の方が気になっている。もちろんチベットの件に関心がないわけではない…

内省する帝国

神なるオオカミ・上作者: 姜戎,唐亜明,関野喜久子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/11/29メディア: ハードカバー クリック: 9回この商品を含むブログ (14件) を見る神なるオオカミ・下作者: 姜戎,唐亜明,関野喜久子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2007/…

中央銀行の独立性について―スティグリッツ先生に聞いてみよう

スティグリッツ教授の経済教室―グローバル経済のトピックスを読み解く作者: ジョセフ・E・スティグリッツ,藪下史郎,藤井清美出版社/メーカー: ダイヤモンド社発売日: 2007/10/19メディア: 単行本購入: 9人 クリック: 97回この商品を含むブログ (36件) を見る…

旧ソ連の民族問題とロシア

強権と不安の超大国・ロシア 旧ソ連諸国から見た「光と影」 (光文社新書)作者: 廣瀬陽子出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/02/15メディア: 新書購入: 3人 クリック: 50回この商品を含むブログ (26件) を見る この本はタイトルがいかにも時代のニーズに応…

『馬背上的法庭』

北京で買ってきた映画『馬背上的法庭』のDVDを(PAL方式なので)パソコンで観た。 ストーリーの説明はこちらにある通りで、「馬上法廷」というよりまさに「巡回裁判所」というほうがぴったりくる。ただ車が通れないような山間の村なので、「国徴(中華人民共…

春休みもNHKBSで

<シリーズ プーチンのロシア> ロシア周辺諸国民主化とアメリカの戦略(再) BS1 3月12日 (水) 午前10:10〜11:00地図から消えた町 BS1 3月13日 木曜日 後9:10〜10:00ハイビジョン特集 10年目のマンホールチルドレン 〜厳寒のモンゴル少年たちの軌跡…

毛主席の言葉が奇跡を起こす

http://www.danwei.org/featured_video/mao_zedong_thought_cures_deaf.php すげえ。

『論座』4月号

論座 2008年 04月号 [雑誌]出版社/メーカー: 朝日新聞社出版局発売日: 2008/03/01メディア: 雑誌この商品を含むブログ (6件) を見る これは買いだと思います。まず巻頭の飯田泰之さんによる昨今の「食糧安保論」の虚妄を鋭く衝いたコラムは何一つ付け加える…

「啓蒙」という未完のプロジェクト

かなり前にお送りいただいていたのだが、北京に行っていたりした関係でようやく昨日手にとって読み終えました。反応が遅くなり申し訳ありません。不謹慎な経済学 (講談社BIZ)作者: 田中秀臣出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/02/21メディア: 単行本購入: …