梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

2004-01-01から1年間の記事一覧

なぜ『諸君!』が面白く『世界』がダメなのか(前)

さて、年末年始こそじっくり論壇誌を読み比べるのにもってこいの時期だ、というわけでまずは年末に出たばかりの『諸君!』2月号。 もちろん、「ああ、やっぱり」と言ってしまいたくなる記事も多い。たとえば、東アジア共同体構想について論じた青木直人の文…

メモ

http://www.21ccs.jp/china_watching/KeyNumber_NAKAMURA/Key_number_00.html

S&G Finance Book(続き)

ブログの世界(?)もすっかり年末モードで、めっきり更新が減っているような気がする。で、そんな時期にこんな野暮な話を書いてもどうせ誰も乗ってこないとは思うが、一応書きかけ(23日)になっていた話題なので、S&G『新しい金融論』の「資本の割当」につ…

メモ

http://www.asiavoice.net/nkorea/archives/000106.html http://www.asiavoice.net/nkorea/archives/000108.html やっぱりおかしいと思うことはちゃんと声を出して言わないと、ね。

メモ

「環境リスク学」の第一人者である中西準子さんの環境ホルモンに関するシンポジウムへの参加記。 http://homepage3.nifty.com/junko-nakanishi/zak286_290.html#zakkan286ことに、以下の文章は自戒の念をこめて、ここに貼り付けておこう。 学者が、他の人に…

S&G FinancialBook

大抵の大学関係者の皆さんにとってもう年内の授業は終了しておられることと思うが、僕の勤め先では月曜日の授業時間を確保するためここ数年は12月24日に月曜の授業を行うことになっている(しかし完全に非常勤無視のシフトだよな)。まあ、さすがにこの日に…

あまり愉快ではない話

稲葉さんがネットで『諸君!』のことをほめていたら本当に依頼が来た、という件。 http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20041221 確かに「愉快」な話ではあるのだが、他の領域のことはいざ知らず、 少なくとも東アジア情勢をめぐるこの国の言論状況を考え…

毛里和子『現代中国政治 新版』名古屋大学出版会 親しみを感じる人も、感じない人も、中国について語ろうとするならせめてこの本くらいは読みましょう。

デット・デフレーション(続)

mojimoji氏がペースメーカーになってくれるということなので、それに合わせて書き込めばよいのだが、14日の日記の続きを一応終わらせておこう。まあすでに誰かが指摘したことかもしれないけどそれはご愛嬌ということで。 さて、僕が『経済学という教養』のな…

大澤真幸『帝国的ナショナリズム』青土社

野次馬的「帝国」論ヲチャーとしては、一応押さえておくべきかなと思い購入したのだが、肝心の「帝国」論については最終章にちょろっとネグリ=ハートの(教科書的な)まとめとそれを踏まえた試論があるだけで、あとは単なる時論集やないか!こんな露骨な便…

スティグリッツとデット・デフレ論

旧来の友人であるmojimoji君がはてなを始めていたことを知り、「スティグリッツの新しい金融論読みまへんか」と呼びかけたところ、なんと稲葉振一郎さんまでwashimomazereと割り込んできたのでびっくり。稲葉先生、「一緒に読みませんか」というのは文字通り…

追記

下記のコメントのアジア各国(地域)の為替レートについては、基本的に杉原薫『アジア間貿易の形成と構造』ミネルヴァ書房、130ページの図を参照。

土曜日のワークショップ・籠谷直人報告についてのメモ

19−20世紀における帝国主義による植民地支配のポイント ・関税自主権の収奪(「自由貿易原則」の行使) ・放射線状の鉄道敷設 ・高めの植民地通貨レートの設定 「国民経済化(「帝国」からの自立)」のポイント ・関税自主権の回復 ・網の目状の鉄道敷設 ・…

下記シンポジウムの解説文(とりあえず書いたけど発表するアテもないので)

「東アジア共同体」をめぐってあちこちでシンポジウムが開かれたり、雑誌や新聞の特集が組まれたり、この言葉をめぐる議論がにわかに活況を呈している。下記のワークショップも基本的にはその中に含まれるといっていいだろう。しかし、だとしたらそこでなぜ…

メモ。

http://www.asiavoice.net/nkorea/archives/000085.html

イベント告知

中国現代史研究会第5回ワークショプ テーマ: 「東アジア」における地域秩序と現代中国――帝国論の視点から――日 時: 2004年12月11日(土)午後2時〜6時 場 所: アピオ大阪(http://www.apio-osaka.or.jp/) 交 通: JR環状線又は地下鉄中央線・長堀鶴見緑地…

秦郁彦、本宮マンガを語る

稲葉振一郎さんをして「これじゃ『世界』なんていらないじゃん」と言わしめた(http://d.hatena.ne.jp/shinichiroinaba/20041203#p4)ほどリベラルかつ柔軟な論考が載ることの多い最近の『諸君!』だが、1月号(http://www.bunshun.co.jp/mag/shokun/index.h…

中国一の大金持ち

南方周末が新浪網とタイアップで行っている「中国一の大富豪は誰だ」という企画。 http://finance.sina.com.cn/guest436.shtml 個人資産額だけでなく、社会への貢献度や文明度、一般読者のイメージも加味されて評価されるところがミソのようで。 ちなみに今…

中国叩きで熱くなる東スポ

アジアカップサッカーでの中国人サポーターの反日行動が問題になったが、この件で僕が結構気になっているのが駅売りスタンドでもひときわ目立つ大スポ(東スポの大阪版)の連日の露骨な中国叩きの紙面である。東スポのことだからまあ売れるなら何でもやると…

アリとキリギリス

Amazonの書評で山形浩生が例のスピヴァクの本を取り上げて批判して(というかひたすらけなして)いた。いやなんというか、実も蓋もないというか。http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/tg/cm/member-reviews/-/A187EW1SNGM2FV/249-1086003-7894768 僕自身は…

あきれた書評

6月26日付『毎日新聞』に掲載された村上陽一郎によるG.C.スピヴァクの『ある学問の死−−惑星思考の比較文学へ』の書評。http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/dokusho/news/20040627ddm015070152000c.html 評者は著名な科学史家だが、なんと言うか、…

疲れがたまっているせいか昨日から全身に蕁麻疹が出てしまった。医者に行って薬をもらい夕方までごろごろしていたら少しは楽になった。というわけで勢いで日記を更新。 友人に薦められて鄭大均『在日・強制連行の神話』(文春新書)を読みかける。手法的には…

悪戦苦闘の日々

今日は1回生の入門ゼミの日だった。このゼミは今年から導入されたもので、入ったばかりの学生をお守りさせるために教師の専門分野などにはお構いなしに学籍番号順に強制的に割り当てて指導させ、しかもその指導の内容について(専門科目への興味をかきたてれ…

学生への啓蒙とプチ・ナショナリズム

予告した木村さんからいただいたメールの内容を要約すると、木村さんは出版の段階で「あの表題であの新書を買う人は、ある程度、朝鮮半島にディープに入れ込んでいる人に違いない」とマーケティングの対象を絞り込んでいて、むしろ、彼らの考えに積極的に働…

木村幹さんへのメール

勤め先に着いたらなんと木村幹さんご本人から「はてなの書き込み読みましたよ」とのメールが来ていて、一瞬焦る。まさか読まれているとは・・(誰が知らせたんだろう?それともgoogleから?はてな恐るべし!) いただいたメールの内容については要約して掲載…

「朝鮮民主主義研究センター」の小池氏による『朝鮮半島をどう見るか』の書評。」http://www.asiavoice.net/nkorea/archives/000035.html なかなか手厳しい。ただ、「業界向けではない、一般の人に届くメッセージを持っているかどうか」を問題にしていると言…

続けて木村さんの本について

彼の基本的な主張は、とりあえずイデオロギーを離れて客観的なデータなどを中心に「普通に」朝鮮半島を眺めてみよう、と言うものである。その主張には基本的に賛成できるし、実際木村さんの専門的な業績に裏付けられた「半島の国々、特に韓国は、人口・経済…

朝鮮半島研究の現状

最近出た木村幹氏の『朝鮮半島をどう見るか』(集英社新書)を読み、いろんな点で考えさせられた。 わが国においては「専門家」たちもまた、朝鮮半島に対する二つのステレオタイプに深くおかされてきた。私自身も、それぞれのステレオタイプを奉じる「専門家…

中国のメディア批判

北京大学新聞メディア学部助教授の焦国標氏http://news.sohu.com/20/38/subject203283820.shtmlが、「討伐中宣部」という中国のメディア事情を痛烈に批判する文章を発表し、話題になっているそうです。http://content-admin.sina.com/news/17/03/6170300_1_g…