梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

イースタリーとサックスがハイエクと福祉国家をめぐってケンカしている件について

マンキュー先生も野次馬的に取り上げているし、あちらでは結構盛り上がっているみたい。 ざっと目を通して理解したところによれば、まずサックスがScientific American誌に寄稿した論文の中で、北欧の福祉国家がイギリスやアメリカといった新自由主義の国家…

世界のコーヒーの生産量はなぜ減らないのか。

以下は前二回のエントリの続きです。 http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20061123 http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20061125 ・・さて、今まであまり深く考えずに、世界のコーヒー価格が上昇(下落)すれば、コーヒー農家はそれに対して反応し、生産量を増やす(…

フェアトレード運動のジレンマと意義

前回のエントリid:kaikaji:20061123の続きです。よろしければコメント欄の「政治学者の卵さん」とのやり取りもご覧ください。 さて、前回、フェアトレードによるコーヒー豆の買い付けに経済学的意味があるとすれば、それは「援助」ではなく「生産リスクの消…

コーヒー貿易の関連で

Open-Economy Politics: The Political Economy of the World Coffee Trade作者: Robert H. Bates出版社/メーカー: Princeton Univ Pr発売日: 1998/12/28メディア: ペーパーバックこの商品を含むブログ (2件) を見る バークレーの古本屋で購入したままほうっ…

まっとうなフェアトレードの経済学

フェアトレード運動については今までどちらかと扱うのを避けていたのだが、前回予告したので、頑張って論じてみる。一般的にはフェアトレード運動も反スウェットショップ運動と同じく先進国の「倫理観」に支えられた理想主義的な運動だと思われがちである。…

ビーズを作ったのは誰?

すでにnetoさんにコメントいただいたが、先日紹介したBS「世界のドキュメンタリー」はどれもなかなか見ごたえのある内容で、また授業にも使えそうで、よかったよかった。 ただ13日に放送された、「首飾りを作ったのは誰? 〜中国 出稼ぎ少女の労働事情〜」に…

「社会的」なるものをめぐる考察

例の薬師院氏の本を読んだのがきっかけになって、と言うわけではないが、このところ、「社会」と「自由」の関係についていろいろ考えているのだが、うまくまとまらない。 そんなところに、岩波「思考のフロンティア」の一冊としてすでにネット上での高い評価…

NHKの回し者

今度はBS「世界のドキュメンタリー」。 http://www.nhk.or.jp/bs/wdoc/「首飾りを作ったのは誰? 〜中国 出稼ぎ少女の労働事情〜」11月13日(月)後9:10〜10:00 「そのビーズ、どこからやってきたか知っていますか?」「誰が作ったのか考えたことがあります…

ようこそ、羊さま

「中国映画の全貌2006」という特集をやっているので久しぶりに九条のシネ・ヌーヴォを訪れる。あいかわらず場所わかりにくいなあ。 http://www.cinenouveau.com/china2006_hp/china2006.html さて表題作は一言で言うと(地方)政府による、「農家の実態を無視…

ドキュメンタリー番組の紹介ばかりですみませんが

こうやってメモしておかないと自分で忘れちゃうもんで。フジTV NONFIX 11月16日(木)02:28〜03:23 「男一代菩薩道〜インド仏教の頂点に立つ男〜」 http://www.fujitv.co.jp/nonfix/library/f523.html 何回目かの再放送みたいですが。佐々井秀嶺師について…