梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

2005-01-01から1年間の記事一覧

白人らしく振舞う(続)

先日のエントリid:kaikaji:20051009の続き。 さて、以上説明してきたような'Acting White'と呼ばれる現象にはさまざまな解釈が可能なように思える。たとえば、次のような解釈は最も「自然」なものの一つではないだろうか。1.(環境、所得、両親の教育水準…

ノーベル経済学賞

オーマンというとこういったものを真っ先に思い出してしまった私は、やはり「文系ヘタレインテリ」が抜けていないのでしょうか? あと最近では小島寛之さんの『確率的発想法』ISBN:4140019913 で、コモン・ノレッジの考え方を使った株価の大暴落のシナリオの…

白人らしく振舞う

こちらに来てから1ヶ月が過ぎたが、とにかく英語を何とかしなくてはならないということで、先週から公営の無料の英会話教室に通うことにした。こういう公営の「生涯学習」スクールがアメリカのほかの都市にも普通にあるのかどうかよくわからないが、趣旨とし…

のーべる

TBをいただいた田中先生のブログでノーベル経済学賞受賞者の予想ネタが盛り上がりそう。ノーベル経済学賞といえば、2001年度の受賞者であるG.アカロフが大学院のマクロの授業を持っているので(テキストはD.Romerの3rd.edition)、受講生が結構多い(50人程…

童貞

本日、町山智浩さんid:TomoMachi:20050820が絶賛していた40歳童貞男の映画を見に行ってきた。こちとらの英語能力が低いもんでギャグを堪能できなかったのは残念だが、それでも十分楽しめましたです。特にエンディングは秀逸。

気になること

知っている人は知っているだろうが、知らない人は全く知らないだろうETLO(東トルキスタン解放機構)による中国政府への武装闘争宣言に関するニュースで、一部のブログや2ちゃんねるでの情報交換がなかなかの盛り上がりを見せていて、僕も非常に気にな…

いまさらながら『パッチギ!』雑感

韓流好きリフレ派先生、遅ればせながら『最後の「冬ソナ」論』出版おめでとうございます。 いや、当然こちらでは未入手なんですが、NHK土曜夜の韓流ドラマは毎週チェックしていたもののそれ以外の「追っかけ」はしないというヘタレ韓流ファンとしては、以前…

レセプション

昨日(27日)は受け入れていただいているUCBのCenter for Chinese Studies(CCS)のレセプションがあった。正確にはInstitute of East Asian StudiesというCCSの上部の組織主催主催のレセプションで、CCSのほかにCenter for Japanese Studies, Center for J…

しつこく、ルイスモデルについて考えてみる。

なぜこんなにこだわるかというと、ルイスモデルは特にアジアの経済発展を考える上で実に射程が広い、「使いがいのある」ツールだと改めて感じたからである。たとえば杉原薫氏は確かその主著のなかで、20世紀の初頭における東アジアの経済発展をもたらした要…

謎の有名人、李敖氏

さて、バークレーでは『明報』『星島日報』『世界日報』など香港・台湾で発行されている華字新聞が日本よりはるかに容易に手に入るので、ほぼ毎日どれかを買ったり中華料理屋においてあるのを読んだりするわけだが、このところこれらの新聞では台湾の著名な…

ルイスの二重経済モデルに関する補足

先日トラックバックしたbewaadさんの日本経済におけるエントリに関する議論がかなり盛り上がっているようだ。 この話題に関する中国と日本の状況の違いを僕なりにまとめると、一つには「相対的に通貨切り下げ=金融緩和が必要な地域」と「相対的通貨切り上げ…

最適通貨圏と財政的再分配政策−日中比較−(どこがカリフォルニア日記やねん、というツッコミはなしで)

http://bewaad.com/20050918.html#p01 日本の現実に関する記述を中国の文脈に置き換えて考えたほうがよく理解できるというのもわれながらどうかと思うが、自分的には以下の文章を「円」→「元」、「都市」→「沿海部」に、「地方」→「内陸部」に置き換えてみる…

ケーブルテレビ

今日から正式にDLSが開通したはずなのだが設定が面倒くさいので引き続きどこからのものともわからないネットワークへの便乗状態が続く。家具つきのアパートに入ったのでテレビもついていたのだが、地上波だけでははろくなチャンネルが映らんなあと思って試し…

対ファシスト戦勝利記念日の謎(どこがリニューアルやねん、という突っ込みはなしで)

DSL開通はまだだが、プロテクトのかかっていないネットワークが見つかったので、早速便乗させていただく。これならあわててDSL申し込む必要なかったかも。 さて、タイトルは選挙も終わった今となっては昔の話題といわざるを得ないのだろうが、出発前から気に…

リニューアル?

ブログタイトルにもありますように今月より1年間ほどカリフォルニア大バークレー校のCenter for Chenese Studies というところに籍を置いて研究活動を行うことになりました。それにあわせてブログのデザインもなんとなく西海岸っぽい(?)ものにしてみたつ…

おしらせ

以前のエントリにもチラッと書きましたが、明日よりしばらく(1年)の間アメリカで生活することになります。といってもそちら方面は全く不案内なので落ち着くまでかなり時間がかかると予想されますので、当然ブログの更新もかなりの間滞ってしまうかと思いま…

山室信一『日露戦争の世紀』

久しぶりのbk1書評。とりあえず絶賛してみますた。

少数民族の村より

前回と今回のエントリは成都のホテルで書いてアップしているのだが、その間には四川省のXJ県というチベット族が人口の70%を占める山奥のの村(町)を訪問していた。 この村は、成都からの距離は280キロほどなのだが、途中の道が悪いため車で6,7時間ほどか…

日中の「対話」をめぐって

実はこの9月から1年間アメリカに行くことになっていて、その準備やら引越しやらでなかなか更新どころではなかったのだが、今日から来ている調査先の四川省で思ったより時間がもてたので、こうしていままで書きかけだった文章の整理などしているわけですが。…

アイデンティティなるものをめぐって

id:odanakanaoki:20050813より。 センの所説を煎じ詰めると、・コミュニタリアニズムは「アイデンティティ」ばかりを重視し、普遍的な「理性」を軽視する傾向にある ・しかし、アイデンティティは複数かつ重層的なものである ・それらの間での選択をなしうる…

趙宏偉氏について

先日id:kaikaji:20050805のエントリの続き。 胡錦涛政権の対日政策についての趙宏偉氏の見解について、繰り返すが僕は判断する能力を持たない。しかし、そのこととは別に趙氏については書いておきたいことがある。

中国人眼中的日本人

"新浪網"アンケート「中国人が見た日本」(via「ぺきん日記」さん) http://news.sina.com.cn/pc/2005-08-03/27/1606.html http://blog.livedoor.jp/gucci_bj/archives/29735686.html わたしにとって印象深かったのは「抗日戦争において最も印象深いのは?」…

わしズム

昼間、本屋にぶらっと入ったら『わしズム』第15号に小林よしのり氏と趙宏偉氏の対談が載っているのを偶然見つけて思わず手にとってパラパラとめくってみた。はっきりいって全然期待していなかったのだが、これがどうして、なかなかの拾いもんだった。 対談と…

スティグリッツ、人民元改革を語る。

今のアメリカ政府に中国の経済政策についてとやかく言う資格なんてないね。タイトルからわかるように、アメリカに厳しく中国に好意的な論調なので、早速新浪網に要約記事が載っている。 http://finance.sina.com.cn/economist/jingjixueren/20050728/1955184…

今村弘子『北朝鮮「虚構の経済」』ISBN:4087202968

http://www.asiavoice.net/nkorea/archives/000163.html 本書の内容については上記書評で紹介されている通りだが、それに加えて中国人研究者の多くが北朝鮮に対して非常にさめた態度で接しており、またそれゆえにかなり客観的に事態をつかんでいる、というこ…

岩井克人『会社はだれのものか』ISBN:4582832709

たしかにとてもわかりやすいし思考を整理するにはいい本だと思うのだが、次のようないくつかの疑問が。 まず、「会社の統合・買収が成功するかどうかは、それによっていかに人的資本が有効に活用されるか、という点で決まるのだよ」というのは、もともとグロ…

「人民元が上がると円も上がる」かどうか。

http://www.tsugami-workshop.jp/blog/index.php?categ=1&year=2005&month=6&id=1118311606さて、どうでしょう。参考: http://bewaad.com/20050722.html#p01 id:kaikaji:20050218

メモ

渡邉 昭夫編著『アジア太平洋連帯構想』ISBN:4757121520 大平正芳記念財団20周年記念論文集。毛里和子さんの「中国のアジア地域外交―上海協力機構と「東アジア安全保障共同体」をめぐって」はとりあえず必読と思われ。