梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

2005-01-01から1年間の記事一覧

アカロフ先生講演メモ・その3

3.M-M理論 M-M(Modigliani= Miller)理論はもともとミクロの企業の投資に関する意思決定を扱った理論であるが、金融変数の変化が投資水準にどのような影響を与えるか、というマクロ経済学における重要な問題にミクロ的な基礎を与えるものとしてみることも…

言い訳

さて ここ数日は胡耀邦生誕90年記念のイベントにはじまりブッシュ訪中まで、真性中国ヲチャーなら血が騒ぐネタ満載の日々、だったはずなのですが、アカロフの講演をまとめるのと稲葉さんのところの動きid:shinichiroinabaを追いかけるのに気をとられて、ナマ…

追記

bewaadさんがアカロフ氏による恒常所得仮説批判と「相対所得仮説」との類似について興味深い指摘をされていますので、ぜひご参照を。

アカロフ先生講演メモ・その2

少しづつしか進みませんが、とりあえず。2.恒常所得仮説について。 経済学を専門にしていない人にも読んでいただきたいので、一応簡単に説明しておくと、恒常所得仮説とは、ある経済主体のある期における消費水準は、その人(家計)が生涯において得られる…

アカロフ先生講演メモ・その1

先日の「追記」に書いたように、イエール大学のウェブサイトに講演当日配布されたものと同じペーパーが掲載されていたようで、たぶん僕よりも正確に読んでくれる人が出てきていろいろツッコミを入れてくれるだろうから、「知的遺産」というような大層なもの…

ケインズ経済学の逆襲!

先日、UCBの経済学部主催のセミナーで、コーディネータであるアカロフ先生が御大自ら行ったレクチャーを聞く機会があった。「ケインズ経済学の逆襲!」というのは僕が勝手にそう呼んでいるだけで、'the Missing Motivation in Macroeconomics'というのが講演…

シュワちゃん、中国を行く

http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2005/11/16/MNG9HFP5C81.DTL&hw=governor+takes+execs+on+selling+spree+to+china&sn=001&sc=1000 http://www.sfgate.com/cgi-bin/article.cgi?f=/c/a/2005/11/16/MNG9HFP5CA1.DTL&hw=Governor+takes+exec…

メモ

http://www.opennetinitiative.net/studies/china/・関連:id:kaikaji:20050321、id:kaikaji:20050422

休日のすごしかた

土曜日には、久しぶりにサンフランシスコまで足を伸ばして、こちらに来てから出た本で気になっていたものを新書を中心に調達してきた。とにかくアメリカに関する本をあまりに読んでいないことに気がついたので、取っ掛かりとして古矢旬先生の本で勉強しよう…

関連

メモ。 http://transact.seesaa.net/article/7507777.html http://transact.seesaa.net/article/7660641.html http://transact.seesaa.net/article/7859563.html

イソテリジェンス・デザイソ

火曜日の夜から水曜にかけて、アメリカのローカル発のニュースでいくつか興味深い動きがあった。まずカリフォルニアの住民投票選挙では、シュワルツネッガーが提出した公立学校教師のテニュア取得の制限などを含む保守的な行革案が全て否決された(写真―それ…

馬英九は男前にあらず

http://blog.goo.ne.jp/mujinatw/e/6092fa0d3445fcc8fd60f5b50c8ad47aより。 日本のメディアでは、馬英九が「ハンサムだから」という理由で、人気があって、力もあると見ている人が意外に多い。それは外省人と日本人の「ハンサム」の基準が似ていて、日本人…

やはり、団結したほうがいいかも・・

id:yukihonda:20051106より。 新しい人への敬意を欠いた社会の将来は閉ざされているだろう。 http://blog.goo.ne.jp/gokenin168/e/25c6dba88c3405d11cf05a1cc43a10cdより。 ところが、江沢民時代になって「教育の産業化」が打ち出されました。中国人学生の学…

「愛国青年」における三つの層について

さて、先日bewaadさんが取り上げていた竹中平蔵ブレーンによる「革命的フリーター論」を、コメント欄でのすなふきんさんの指摘でいまさらながら目を通してみた。 ここには、小泉総理と若い層が「真ん中」の層をサンドイッチにして「文化大革命」をしかけてい…

芸術の秋

UCBのPacific Film Archiveによる1920−30年代の日本映画特集。 http://www.bampfa.berkeley.edu/pfa_programs/taishosc/index.html さあ、何本観られるだろうか?

 添谷芳秀『日本の「ミドルパワー」外交』ISBN:4480062351

こちらに来てから論文を中心に勤めて英文を読むようにしているので、全体的な読書量はめっきり落ちているのだが、たまには経済関係以外のものも読んでみようと、出発前にあまり深く考えずに持ってきていたこの本を手に取ったら、たまたま今考えていることと…

補足と雑感

D.ローマーの『上級マクロ経済学』や吉川洋『現代マクロ経済学』などのテキストを読めばすぐわかることだが、今やケインジアン的なモデルで経済を説明する、ということは賃金や財価格の硬直性にミクロ経済学的な根拠付けを与える、ということとほぼ同義にな…

(ようやく)S&Gの『新しい金融論』を読む

だいぶ前に「やるぞ」と宣言しておいて一応メモを取っていたStiglitz&Greenwald『新しい金融論』ISBN:4130402099メ、出すタイミングとしてはバーナンキ祭りの後の今しかないように思えてきたので、ここで放出することにする。ネット上で公開するようなレジ…

続・バーナンキ

というわけで25日付のWSJとNYTを買って読み比べてみたのだが、Web版ではわからない、写真により受けるイメージの違いというのが非常に面白い。まずNYTだが一面の写真で、ごらんのようにバーナンキが実に威風堂々とまるでグリーンスパンを従えるかのように歩…

おまつり

こういうネタの時にはまずHicksianさんのところに集まるというのが「フォーカルポイント」になっているようなので・・ http://econ.cocolog-nifty.com/irregular_economist/2005/10/post_9ac0.html それにしても、バーナンキの業績やインタゲ政策についてき…

ナマ李振盛とアメリカにおける文革ブーム?

李振盛といっても「誰やそれ」という人がほとんどだろう。元『黒竜江日報』という中国の地方紙のカメラマンで、文革期に「模範的記者」として撮影した、当時の様子を伝える貴重な秘蔵写真の数々が『紅色新聞兵』(ファイドン)ISBN:4902593130ており、日本で…

アメリカのリベラル派とNYTの中国報道

いや、今更朝日を叩くのは芸も品もないことだというのは重々わかっているのだが・・http://www.asahi.com/international/update/1019/004.html 米国の知日派はもちろん、ブッシュ政権内でも小泉首相の靖国神社参拝を評価する意見は皆無といっていい。何の戦…

福沢諭吉と丸山真男と電車男

今月の6日の話だが、Alan MacFarlane氏による「福沢諭吉と丸山真男:日本の近代化に関する二つのビジョン」という題の講演会に出席してきた。これは僕が籍を置いているCenter of Chinese Studyと同格のCenter forJapanese Studiesが毎年行っているMaruyama L…

追記

というわけで、bk1書評。 一箇所訂正。 誤:著者は、この本に掲載されたような反日記事を書く傍ら、 正:著者は、この本に掲載されたような反日ウォッチ記事を書く傍ら、

水谷尚子『「反日」解剖 歪んだ中国の「愛国」』ISBN:4163662308

いただきもの(わざわざ航空便でお送りいただき、かたじけない)*1。 本書の元になったのは『サピオ』や『諸君!』に掲載された反日ウォッチ記事で、そのかなりの部分は既に読んでいたのだけど、こうしてまとまって読むと、いや、やっぱりおもろいわ。 ちゃ…

白人らしく振舞う(完結)

先日のエントリid:kaikaji:20051009、id:kaikaji:20051011#p2の続き。 さて、これまでFryerの'Acting White'に関する研究比較的詳しく紹介してきたのは、問題設定といい、方法論といい、非常にアメリカらしいものを感じたという点で印象に残ったからだが、必…

ビョン様のような・・

こちらに来て1月以上がたつとさすがに髪の毛も伸びてくる、というわけで床屋に行くことにした。「髪の毛の質が似ているアジア人がやっているところだったらそれほどひどいことにならないだろう」と考え、大学近くのテレグラフ・アベニューにあるコリアンのお…