梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

2009-01-01から1年間の記事一覧

本屋で見かけたけれど

とう小平 政治的伝記 (岩波現代文庫)作者: ベンジャミンヤン,Benjamin Yang,加藤千洋,加藤優子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/08/18メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (6件) を見る この本については、最初に朝日から出たときの矢吹…

ルクセンブルグVS.レーニン

国際ローザ・ルクセンブルク学会ウェブサイト開設記念(http://d.hatena.ne.jp/akamac/20090902/1251901228より)http://neto.blog10.fc2.com/blog-entry-4505.htmlより。 ローザが中国で人気なのは長らくソ連で批判を受けた身であると共に、民族自決を否定…

平野義太郎と講座派マルクス主義のアジア停滞論

http://www.21ccs.jp/soso/chinateki/chinateki_31.htmlより。 平野義太郎は、同論文において、アジアにおける停滞が、アジア的農業社会に起因していること、そしてそのアジア的農業社会の基底が、アジア的専制主義と強く結びついていることを力説する。平野…

景気回復を名作に学べ―映画編―

『大番』四部作一挙上映 だそうです。アテネ・フランスで上映なのは獅子文六つながりでしょうか。昭和恐慌前後の日本経済に関心のある方は、第一部・第二部だけでもご覧になっておくべきかと。

ブル局面は終わったか

『財経』の株式市場特集ページ

初期の吉本隆明

書きながら、賈樟柯の公定ナショナリズムへのコミットメントのあり方が、吉本隆明がかつて克明に描き出した、高村光太郎や四季派の詩人の戦争詩へのコミットメントのありかたと、かなりの共通点を持つような気がしてきた。まだ十分には考えが詰められてはな…

欧米人の眼、中国人の精神

少し前に、世界ウイグル会議のラビア・カーディル議長のドキュメンタリーの上映に抗議して、メルボルン国際映画祭に招待されていた賈樟柯(ジャ・ジャンクー)ら数名の中国人映画監督が出席を拒否する事件があった。http://dianying.at.webry.info/200908/ar…

メモ2

「もっとチップスを」と中国政府は言う http://dailycapitalist.com/2009/08/06/china-asks-for-more-tips/※参考 http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20090515/p1

メモ

China's Impact on the Global Economy: A Symposium http://www.econbrowser.com/archives/2009/08/chinas_impact_o.htmlこれは結構すごいかも。

過少評価されていた外貨準備とホットマネーの流入

http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090801AT2C2401J01082009.html 日銀は中国政府の事実上の管理下にある外貨資産が、公表されている外貨準備高よりも約3000億ドル(約28兆円)多いとする試算をまとめた。中国の発表によると、外貨準備高は6月末で2兆…

メモ

産経新聞の佐々木正明記者によるラビア・カーディル氏会見のまとめ。 http://sasakima.iza.ne.jp/blog/entry/1152384/ 記事のもとになったメモはみなtwitterによりリアルタイムで配信されたもので、その意味でも注目される。佐々木記者のtwitterでの以下のよ…

NHKの夏

BS世界のドキュメンタリー<シリーズ グローバル化の影で>特に↓この番組は必見かな。コンゴ 鉱物資源争奪戦 前編 BS17月27日 月曜深夜[火曜午前] 0:10〜1:00 コンゴ 鉱物資源争奪戦 後編 BS17月28日 火曜深夜[水曜午前] 0:10〜1:00 世界のコバルト埋…

<中国人>の境界

中国の異民族支配 (集英社新書)作者: 横山宏章出版社/メーカー: 集英社発売日: 2009/06/17メディア: 新書 クリック: 20回この商品を含むブログ (8件) を見る 本書は新書ということを差し引いてもその記述がいささか荒っぽく(この文章はそれをさらに荒っぽく…

金融政策スタンスの変化

その後、中国の銀行間金利がますます上がり続けている。 これは明らかに、中央政府の政策スタンスの変化によるものである。ただ、それは今のところあくまで象徴的なものにとどまるだろう。具体的にどのような意味を持つかについては津上俊哉さんのブログ記事…

イリハム・トフティ氏の解放を求める署名運動

7月5日のウルムチの事件に関しては、その後日本のメディアも積極的に独自の取材などを行っているが、実態については依然として未解明の点があまりに多い。 その中で、日本のメディアではほとんど報じられてないが重要な動きがあった。現在中央民族大学教授で…

弱者が弱者を食い物にする

ウルムチの事件に関する報道は今日も続いたが、テレビではやはり「報道ステーション」が頭一つ抜き出ているという印象を持った。たとえば、同じデモ行進をするウイグル人女性を写しても、NHKの報道では彼女らをあくまでも「群体」としてしか捉えていない…

7月5日ウルムチでの騒乱に関して

最初日本のメディアは新華社のニュースをそのままタレ流すだけでやはりダメだと思ったが、6日の報道ステーションはかなり時間を割いて双方の言い分を報道するというスタンスで、水谷尚子氏にも取材を行うなど、かなり頑張っていた。ただコメントが加藤千洋氏…

中国インターバンク市場に異変が!?

緊急更新。上海銀行間コールレート(SHIBOR)のウェブサイトより。無担保オーバーナイト金利同1週間もの金利同1ヶ月もの金利 とりあえず1ヶ月前のグラフと比べてみてください。

解説しよう。

二回にわたって紹介した『財経』の記事について私なりに少し説明を加えてみよう。http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20090625 http://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20090627 この記事は地方政府が暴走気味の投資計画をかけ、そのための資金調達に奔走し始めているこ…

中国・バブルへの道まっしぐら

前回のエントリの反応がイマイチだったのでタイトルで釣ってみることにしました。『財経』の記事の続きです。 「プラットフォーム」の潜在力は今まさに極大化されようとしている。 例えば、今年以来激増した銀行融資額(手形融資をのぞく)のうち、その大半…

積極果敢な、あまりに積極果敢な

いまや中華圏、いや東アジアで最も重要な経済誌と言ってよい、『財経』の一つ前の号が今日手元に届いたが、その中で「地方政府融資的狂歓」という特集記事が目に付いた。現在中国で起こっていうことがどういうことなのかを理解するのに格好のテキストだと思…

6月のNHK

BS「世界のドキュメンタリー」より・。<シリーズ 1989からの出発> ルーマニア・民主国家への苦闘(仮) BS16月20日 (土) 午後11:10〜翌0:00チェコとスロバキア・ヨーロッパ回帰への思い(仮) BS16月27日 (土) 午後11:10〜翌0:00ドイツ 失われたも…

西側の金融当局が中国に学ぶべきこと

Financial Timesの中国経済ブログ"Dragon Beat"より。 Until roughly three years ago, many outside commentators argued that China’s state-driven financial mechanism, which funnelled cheap credit to state-owned industrial enterprises with littl…

大岡裁き

http://21chinanews.blog38.fc2.com/より。 世論の勝利だと喜ぶ意見からあくまで無罪にするべきという意見まで双方あるようですが、疑問なのは司法、すなわち「法治」が見事に踏みにじられているということ。蠟さんのケースが正当防衛にあたるのかどうかにつ…

村上春樹と竹内好―「近代」の二重性をめぐって

http://blog.tatsuru.com/2009/06/06_1907.phpより。 ムラカミ・ワールドは「コスモロジカルに邪悪なもの」の侵入を「センチネル」(歩哨)の役を任じる主人公たちがチームを組んで食い止めるという神話的な話型を持っている。 『羊をめぐる冒険』、『ダンス…

ウェブサイトの一斉メンテナンス期間

http://dundee.blogbus.com/logs/40591523.htmlふるまいよしこさんのブログより。

『アニマルスピリット』の議論の原型

アニマルスピリット作者: ジョージ・A・アカロフ,ロバート・シラー,山形浩生出版社/メーカー: 東洋経済新報社発売日: 2009/05/29メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 154回この商品を含むブログ (67件) を見るhttp://d.hatena.ne.jp/kaikaji/20051118#p2よ…

空白と恩寵―村上春樹『1Q84』を深読みする(たぶんネタバレなし)

1Q84 BOOK 1作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/05/29メディア: 単行本購入: 45人 クリック: 1,408回この商品を含むブログ (1265件) を見る1Q84 BOOK 2作者: 村上春樹出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/05/29メディア: 単行本購入: 40人 …

六四をめぐる日本メディアの反応

6月になり、天安門事件に関する記事が各新聞の紙面を飾るようになった。朝日新聞も、アムネスティのオンライン署名(署名期間は終了「天安門にバラの花束を」)へのリンクを含んだ記事や富柏村日剰さんが翻訳を手がけられたという李怡氏の寄稿など、それなり…

この世は○○だ/○○のために生まれたんじゃないぜ

ちょっと間が開いてしまったが、忌野清志郎のパフォーマンスを論じた文章について、その中の生活世界/システムという概念をもう少し考えから使いなさいということでsumita-mさんからツッコミをいただいていた。URL: http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/2009052…