梶ピエールのブログ

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六四をめぐる日本メディアの反応

 6月になり、天安門事件に関する記事が各新聞の紙面を飾るようになった。朝日新聞も、アムネスティのオンライン署名(署名期間は終了「天安門にバラの花束を」)へのリンクを含んだ記事富柏村日剰さんが翻訳を手がけられたという李怡氏の寄稿など、それなりに頑張っているが、なんといっても力のこもった報道を行っているのが産経新聞である(日経は特筆するような記事を載せていないし、後の新聞は読んでいない)。特に先月末から連載されている「遙かなる天安門」は、アメリカにおける中国民主化運動の変化を捉えた関係者へのインタヴュー記事などをはじめ、読み応えがある内容なのでお勧めしておきたい。ネットでのリンクは以下のとおり。
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090526/chn0905262242006-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090528/chn0905280046001-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090529/chn0905292259008-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090529/chn0905292302009-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090601/chn0906011524003-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090602/chn0906021441008-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/world/china/090602/chn0906020138000-n1.htm

 一方、個人的に失望したのはNHKである。今年になって「世界のドキュメンタリー」枠で、「シリーズ1989年」という東欧をテーマにした特集を組んでいたので、ひょっとしたら天安門事件も、と思っていたのだが*1、ラインナップを見る限り完全に肩透かしを食らってしまったようだ。2006年の「文革40周年」および昨年末の「改革開放30周年」にはシリーズ番組を放送しておきながら、こちらの20周年は完全にスルーでは、やはりバランスを欠くだろう。これまでBSではかなり大胆な内容の番組も放送してきたことを考えると、シリーズものとはいかなくても一回くらいは何とかならなかったのだろうか。

追記: クローズアップ現代ではやるようですね。なんとなく無難な仕上がりになりそうな予感がするが、とりあえず見てから判断することにしましょう。