書きながら、賈樟柯の公定ナショナリズムへのコミットメントのあり方が、吉本隆明がかつて克明に描き出した、高村光太郎や四季派の詩人の戦争詩へのコミットメントのありかたと、かなりの共通点を持つような気がしてきた。まだ十分には考えが詰められてはないが、たぶんそんなに的外れな考えではないだろう。
これら吉本の1950年代の文学論・戦争責任論については、最近出た鹿島茂の本がたぶん最もわかりやすいまとめであり、一読に値する。
- 作者: 鹿島茂
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2009/05/15
- メディア: 新書
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