インターネットメディアのSYNODOSに、以下の記事を寄稿しました。
影の銀行、融資プラットフォームを通じた地方政府の債務問題など現在注目を集めている問題について、中国経済の中に埋め込まれた「不確実性」をどう考えるか、という観点から整理したものです。
これまで詳しく論じてきた「影の銀行」にせよ、「融資プラットフォーム」にせよ、これらの現象は、わかりにくくて不確実な、現在の中国経済を象徴するような事例だと考えられているといっていいだろう。そのことにはいくつかの理由がある。
第一に、これらの現象の規模をはかる統計(融資や債務残高の総額)が不確実なものであり、従ってそのリスクが算定しにくいこと。
第二に、これらの現象を生み出している「システム」が先進国のものとは異なっており、それを理解したりイメージしたりすること事態が難しく、それ自体「不透明」で「不確実」な印象を与える、ということがあげられる。
この二点については、とくに異論はないであろう。
そして、さらにこれらの「不透明なシステム」は、それ自体さまざまな問題点を抱え、またリスクの源泉でもあるが、同時にこれまでの中国経済のダイナミズムの要因にもなっている、という点をあげておきたい。
特に新しい事実の指摘があるわけではありませんが、一つの見方として参考にしてもらえればと思います。