梶ピエールのブログ

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ミスター元

先日のエントリで、どうも供給面での構造改革主義に偏重する傾向がある、と述べた中国『財経』誌だが、どうも失礼しました。最新10月2日号では、「人民元先生(「ミスター人民元」)との対話」と題する周小川中国人民銀行行長のロングインタヴューが掲載されている。
http://caijing.hexun.com/text.aspx?lm=2550&id=1853779

 周氏は、現在の中国政府要人のなかで恐らく最も経済学のロジックを血肉化しており、かつ金融政策の重要性を最も正しく理解している人物である。先月シンガポールのG7および北京と立て続けにポールソン米財務長官と会談を行ったこの「ミスター元」の発言に世界の注目が集まらないはずはなく、早速Financial Times がこのインタヴューを取り上げている。
http://www.ft.com/cms/s/90c0aa78-5180-11db-b736-0000779e2340.html

やはり最大の関心事は人民元改革のようで、特に「通貨バスケット参照から変動幅の拡大へ」という今後の政策方針を示したともとれる以下のような発言はかなりの反響を呼びそうだ。とりあえず引用だけ。

China is allowing the market to play an increasing role in setting the exchange rate value of the renminbi, while weakening the influence of a reference basket of currencies, according to Zhou Xiaochuan, central bank governor.

The role of the currency basket was “gradually diminishing” in favour of market supply and demand, Mr Zhou told Caijing, according to advance copies of the magazine’s reports seen by news agencies.

関連記事: http://macroblog.typepad.com/macroblog/2006/10/yuan_wildcard.html