梶ピエールのブログ

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 明日(6月24日)発売の、『週刊東洋経済』6月29日号のコラム「中国動態」に、今何かと話題の中国版「影の銀行」について、本当に世の中でいわれているほどアブナイものなのか、疑問を呈する記事を書きました。

 ただ、記事執筆時点では先週の20日に中国のインターバンク市場で資金が逼迫し、短期金利が急騰する、という混乱を招いたことについてはフォローできませんでした。これについては、以下のtwitterのまとめおよび、KINBRICS NOWの記事をご覧下さい。

SHIBORがコイの滝登りになった件について
中国で短期金利が異常急騰、それでも中国政府が動かない理由とは

 そこでもツイートしているように、「中国版影の銀行は米国のようにデリバティブを駆使してレバレッジを効かせたものではなく、中堅の銀行が規制を迂回して利益を得る手段として用いているもの。適切な管理さえ行えればそれほどのリスク要因ではない」という考えは基本的に変わっていません。が、今回のように政府(国務院)が強引に潰しに来るとなると話は別です。潰した後の「副作用」のほうがはるかに大きなリスク要因になるでしょう。どの程度「本気」なのか、ということを見極めるためにも、ここしばらく中国の金融市場の動きには目が離せなくなりそうです。

 また、中国版「影の銀行」についてのより専門的な解説については、以下のレポートがよくまとまっているかと思うので、ご参照下さい。
シャドーバンキングは中国版サブプライム・ローン問題を引き起こすか」『季刊中国資本市場研究』2012年夏