梶ピエールのブログ

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 1月16日(月)発売の、『週刊東洋経済』1月21日号のコラム「中国動態」に、「中国経済を揺るがす債券偽装事件」という記事を寄稿しました。私はかねてより、米FRBの政策動向によって中国の金融政策が事実上左右されてきたきたことを指摘してきたのですが、12月の連邦公開市場委員会(FOMC)における米利上げの決定はやはり中国のマクロ経済にボディーブローのような打撃を与えている、というのが実感です。今のところ、株式市場や不動産市場のような目立ったところには影響は出ていませんが、人民銀行が急激な元安を止めるための短期金融市場から資金を絞ったことがそれまで上昇を続けていた債券価格の急落と利回りの高騰をもたらしています。このような債券市場のリスクを背景に、この記事でとりあげた国海証券による債券の偽装取引事件も生じています。トランプ政権下で米国の継続的な利上げが予想される中、中国のマクロ経済政策が依然として難しいかじ取りを迫られていることが明るみになっています。