梶ピエールのブログ

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歴史

佐藤卓巳・孫安石編『東アジアの終戦記念日』ちくま新書

前著『八月十五日の神話』はあちこちで話題になった力作だったが、日本の「8月15日神話」と対比されるべき周辺国の終戦記念日の説明について、若干の疑問点も提起されていた(id:kaikaji:20050912)。恐らくこういった批判を踏まえてだろう、佐藤卓巳氏が戦…

小林英夫『日中戦争』講談社現代新書

さて、前に加藤陽子さんの本を紹介してから随分間が開いてしまったが、また日中戦争がらみで。といってもこちらは一応満州事変からの動きもフォローされているものの、その焦点はどちらかといえば開戦から戦線が次第に泥沼化していく過程に当てられている。…

優等生だったはずなのに・・

満州事変から日中戦争へ―シリーズ日本近現代史〈5〉 (岩波新書)作者: 加藤陽子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/06/20メディア: 新書購入: 3人 クリック: 66回この商品を含むブログ (49件) を見る 岩波新書は新赤版になってから重量級の作品が増えたよ…

NHKの(以下略)

BS特集「世界から見たニッポン」 http://www.nhk.or.jp/ugoku/newprogram/program_bs1_13.html<大正編> 第一回 日本はなぜ孤立したのか 前・後編 2月18日(日)午後7時10分〜9時 第二回 アジアの目〜日本はなぜ「盟主」になれなかったのか(I)(II) 2…

イギリス資本主義論とアジア工業化

id:odanakanaokiさんのブログで予告編が連載されていた「名著再訪・20世紀日本の経済学編」は今から本格連載が楽しみな企画だ。予告編でこれだけためになるのだから、実際活字になったものを読むとさぞかしためになることだろう。 その中の1冊、川北稔『工業…

福沢諭吉と丸山真男と電車男

今月の6日の話だが、Alan MacFarlane氏による「福沢諭吉と丸山真男:日本の近代化に関する二つのビジョン」という題の講演会に出席してきた。これは僕が籍を置いているCenter of Chinese Studyと同格のCenter forJapanese Studiesが毎年行っているMaruyama L…

A.G.フランク

山形浩生さんによる『経済学の歴史』日本語版におけるA.G.フランクの紹介ページ。 http://cruel.org/econthought/profiles/agfrank.html ごもっとも、ではあるけれど、相変わらずなかなか手厳しい。まあ確かに『リオリエント』の近代東アジアの経済成長に関…

ディヴィド・キャナダイン編『いま歴史とは何か』 ISBN:4623043703

小田中先生のブログid:odanakanaoki:20050525より。 歴史学方法論の回顧と展望という点では「エピローグ」(フェリペ・フェルナンデス=アルメスト)が興味深い。彼は、記憶の問題について、それを「言語」のレベルではなく「認知」のレベルで捉えるべきこと…