梶ピエールのブログ

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 高口康太さんとの4年半ぶりの共著がまもなく店頭に並びます。中国経済の変調を受けて比較的短期間でまとめたものですが、よくあるような中国経済崩壊論、衰退論とは一線を画したつもりです。阪神淡路大震災30周年の記念の日である1月17日が発売日となっているのも何かのご縁を感じます。もしご関心があればご一読いただければ幸いです。

以下、文春新書のウェブサイトより。

不動産バブルが崩壊し、今世紀最大の分岐点を迎えた中国経済
このまま衰退へと向かうのか、それとも、持ち前の粘り強さを発揮するのか?
『幸福な監視国家・中国』で知られる気鋭の経済学者とジャーナリストが、ディープすぎる現地ルポと経済学の視点を通し、世界を翻弄する大国の「宿痾」を解き明かす。

◎「はじめに」より

中国経済に関する書籍はしばしば、楽観論もしくは悲観論、どちらかに大きく偏りがちである。
そうした中で本書の特徴は、不動産市場の低迷による需要の落ち込みと、EVをはじめとする新興産業の快進撃と生産過剰という二つの異なる問題を、中国経済が抱えている課題のいわばコインの裏と表としてとらえる点にある。
なぜなら、これら二つの問題はいずれも「供給能力が過剰で、消費需要が不足しがちである」という中国経済の宿痾とも言うべき性質に起因しており、それが異なる形で顕在化したものにほかならないからだ。
「光」と「影」は同じ問題から発しているのだ。

◎本書の内容

●1999年の着工以来、四半世紀も未完成のマンション
陸の孤島にそびえ立つ巨大幽霊タワマン
●不動産危機によるチャイニーズドリームの終焉
●コロナ以降の金融・財政政策のチグハグさ
●バブルはなぜこれまで崩壊しなかったのか?
●「合理的バブル」が中国経済にもたらした歪み
●楽観ムードが消え、人々は借金返済と貯蓄に邁進
●スタバからコンビニコーヒーへ…消費ダウングレードが加速
●国家公務員は倍率87倍の狭き門に
竹中平蔵中国経済のキーパーソン?
●EV普及の裏にある「墓場」の存在
●「殺到する経済」が原動力となり、価格競争力をもつメーカーが誕生
●米国による経済制裁と、中国製半導体のゆくえ

◎目次

第1章 中国の不動産市場に何が起きているのか?
第2章 ポストコロナの不動産危機
第3章 新型都市化と不動産リスク
第4章 中国不動産市場と「合理的バブル」
第5章 中国社会を覆う悲観論
第6章 地方政府はなぜ財源不足に苦しむのか
第7章 「殺到する中華EV」は中国経済を救うのか
第8章 不動産バブルと過剰生産のゆくえ