梶ピエールのブログ

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中国社会はどこへ行くか―中国人社会学者の発言

中国社会はどこへ行くか―中国人社会学者の発言

 
 同じ著書による中国人研究者へのインタヴューより構成。上のエントリとのからみでは以下のくだりなどが重要かと(5-6ページ、李春玲氏の発言より)。

80年代、官僚には莫大な政治的権力は与えられていたものの、その収入は決して高くありませんでした。当時台頭しつつあった個体戸(従業員が7名以下の零細企業経営者)や私営企業家(従業員が8名以上の企業経営者)も、財力はあったものの、社会的な評価は高いものとはいえなかった。これが「地位の非一貫性」という現象で、日本では戦後経済成長の時期に見られたのですよね。
 ところが中国では、90年代後半から、「地位の一貫性」の傾向が顕著になってきた。清華大学の孫立平さんが「中国社会の断裂」ということを指摘していていますが、私たちの調査結果も、孫さんの議論と似たものとなっています。