梶ピエールのブログ

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『中国の嘘』の書評

  21日の日記(id:kaikaji:20050321)でも少し触れた何清漣『中国の嘘―恐るべきメディア・コントロールの実態』(扶桑社)だが、3月27日付け日経新聞の書評欄で、毛里和子氏が、安直な「反中本」とは一線を画す、「情報は正確かつ圧倒的で、メディア・コントロールのシステムや法の詳細な解明をしており、文章は平易だが、立派な学術書」であるとしてほぼ絶賛に近い取り上げ方をしていた。
 何清漣氏はその鋭い体制批判の報道姿勢ゆえが中国当局ににらまれ国外脱出してアメリカで活動を続けているジャーナリストだが、日本ではもっぱらSAPIOや産経・文春系のメディアが彼女の言説を紹介しており、上記の本もそういった「反中本」の一つとして片付けられかねない雰囲気もあっただけに、中国政治分析の第一人者によるこのような評価がなされたことの意味は大きいと思う。というわけで、とりあえずメモ。