- 作者: 岡本隆司
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2019/06/11
- メディア: 文庫
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岡本隆司さんの名著『中国「反日」の源流 (講談社選書メチエ)』(講談社選書メチエ)の増補版が講談社学術文庫入りしたようで、早速1冊お贈りいただきました。岡本さんには、前回立て続けにご著書を送りいただいてからさらに東洋文庫より出版されたA World History of Suzerainty(検索しても出てきません・・)という英語の書籍もお贈りいただいているので、まさに「月刊岡本隆司」を購読しているような錯覚に陥ります。
今回の増補版は五百旗頭薫さんが書かれている解説が秀逸なので、引用しておきます。
岡本史学が、そもそも聖戦(ジハード)ではないか。皮肉や揶揄ではない。筆者の不満は、何よりも自分自身に厳しく向けられており、聖性を帯びている。
その聖戦の熾烈さに比べれば、今の日中関係も生易しく見えてくる。何より恐ろしいことに、生身の岡本隆司は端正で快活でフレンドリーなのである。本書の補論は、京都弁こそ再現されていないものの、生身の語り口をうかがわせてくれる復習教材である。
本書を復刊したことは、何を意味するのか。予感にもならぬ憶測だが、次の展開を考え始めているのかもしれない。