梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

購買力平価ベースのGDP下方修正・その後

 Keidelさんが言っていたADBによる新しいPPPの推計結果に基づく一人当たりGDPの修正結果を世銀が出したようで、あちこちで話題になっている様子。
 その中で、Manzie Chinnによるエントリが今回の下方修正が為替レートの評価に及ぼす影響を詳しく論じていて参考になる。特にそこで示されている下の図はわかりやすい。ちなみに縦軸が実質為替レート、横軸がPPPベースの一人当たりGDPで、黒い矢印で示されたのが今回の修正を表している。

これを見ると確かに人民元が過小評価されていうという議論にはにわかに説得力がなくなる(Chinn先生はグダグダ注釈をつけているようだけど)。果たして現実の米中交渉においてどれだけのインパクトを持つのだろうか。

※追記(12月28日)
http://www.econbrowser.com/archives/2007/12/more_on_china_c.html