梶ピエールのブログ

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 『世界』や『論座』を除いて、5月に発売されたオピニオン系月刊誌は一斉に反日デモと今後の日中関係についての特集を組んだが、多くの論考はすでに決まりきった枠組みを前提としたもので概して面白くない。が、その中で『文藝春秋』6月号富坂聰氏の「反政府暴徒137人が殺された−胡錦涛がひた隠す大暴動。政権崩壊の前ぶれか」はこれぞプロの仕事とも言うべき出色の現地レポートである。少しでも中国の現状に関心のある人にとって必読であろう。
 同誌では、このほか佐藤優氏のチャイナスクール論も示唆に富むが、後は福田和也の皇室論が少々面白そうなくらいで(僕は興味ないですが)基本的にどうでもいい記事が多いので、まあ立ち読みで十分かと。特に中西輝政には自分の書いたもののすぐ前に載っている富坂さんの記事を100回読み直してもう一度出直して来てほしい。「この爆発は、中国当局がタイマーを四月上旬に設定した時限爆弾を時間通りに爆発させた、と見るしかない」なんて、よく根拠もないことをここまで自信たっぷりに書き散らせるよな。