エイドリアン・トミーネ
バークレー在住のオルタナティヴ・コミックの作家エイドリアン・トミーネ、といっても知る人ぞ知る、といった存在だろう。 彼の作風は日常のディテールや人々の感情のすれ違いを短編小説のようなタッチで淡々と描くというおよそ通常のアメコミのイメージとはかけ離れたもので、韓リフ先生いわくid:tanakahidetomi:20060531「登場人物の顔のニキビや吹き出物を淡々と見せられてる感じ」。
彼は日系人なのだが、確かに技法的に日本のコミックから大きく影響を受けたであろうことはうかがえるものの、テーマなどからは特に「日系人らしさ」のようなものは感じられないといっていい。しかし、彼の代表作'Optic Nerve'の最新バージョンであるNo.9およびNo.10では、アジア系のアメリカ人のメンタリティが正面からテーマに取り上げられている(作品自体は未完結)。これはまだ当分日本語にならないと思うのでざっと内容を紹介してみよう。
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