梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

主催者側発表−香港の民主化デモのケース−

 ベイエリアに住んでいてよいことは、安くてそこそこの中華料理がたくさん食べられることと、各種華字新聞が実に簡単に手に入ることである。バークレーダウンタウンに中国関係図書の専門の書店があって、そこに行けば『明報』『世界日報(台湾の聨合報の国際版らしい)』など華字新聞が5,6種、いずれも50セントで売っているし(『大紀元』はタダだが)し、住んでいるマンションから歩いて5分くらいの郵便局の前のスタンドでもその中の2紙が手に入る。
僕のようなヘタレヲチャーにとっては、なにかチェックしたい動きがあるとき、華字紙をまとめて手元においてあのセンセーショナルな見出しを見比べることができるのは大変有難い。インターネットの記事をいちいちチェックするのにくらべて半分の努力で同じ情報量が頭に入るような気がするからだ。問題は台湾における緑(民進党)よりの情報が全く手に入らないことくらいだろうか。

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追記

1. 「主催者側発表」の数字について、早速御家人さんがツッコミを入れている。さすが。
2. 朝日の12月6日付の社説はさすがにおかしい。「対中政策への有権者の不満」が今回の民進党の敗北を招き、「国民党は、連戦・前主席の訪中などの融和策を明確にし、多くの有権者の理解を得た」と主張するが、これは実際台湾に滞在して選挙をヲチしたりメディアを丹念にチェックしている人たちによる分析と真っ向から対立する。とりあえず川島真氏の「台北日記」をあげておく(12月2・3・4日あたりを参照・・via「夢遊的日録」さん)。「対中融和策をアピールしたのが国民党勝利の原因」という見方は理屈にも合わない。多くの人が指摘するようにすでに国民党はすっかり「台湾人化」が進んでおり、アイデンティティの問題とからむ「対中融和」をあまり強調するのは選挙戦術としてはまったく得策ではないのだ。朝日は、現場の記者がそういった状況をつかめていないのか、あるいは中の人が現場から上がってくる声を全く無視しているのか、どちらにしてもちょっとお粗末としかいいようがないだろう。