梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

いただきもの

www.utp.or.jp

 版元よりご恵投いただきました。東京大学出版会の新しいソフトカバーのシリーズ、UP plusの中の第1冊目です。以下、出版社ウェブサイトより。

UP plus 創刊にあたって

 現代社会は,20世紀末の情報革命とグローバル資本主義の深化によって大きく変貌を遂げてきました.情報革命はライフスタイルに大きな変革を及ぼし,わたしたちの生活に多大な影響を与え続け,いまなお変化の途中にあります.また,グローバル資本主義の進展もワークスタイルに大きな変革を及ぼし,世界の一体化を促進させてきました.しかし,同時に様々な次元で格差を生じさせ,分断を深めています.
 しかし、2020年の初頭に発生したCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックによって,より快適に,より便利に,より早く,ということを追求してきた現代社会は大きな影響を受けたのです.この出来事はわたしたちに大きな警鐘を与えるとともに,わたしたちが生きている社会のあり方,そして世界のあり方にも再考をうながしているのです.
 このような状況下で,いま一度「知」というものを改めて考え直す時代が訪れているのではないでしょうか.いまの危機を乗り越え,格差や分断を乗り越えるには,人類が積み重ねてきた「知」の集積をたよりにして,あたらしい地平を拓くことこそが求められているのではないかと考えられるのです.まだ見ぬ世界への道しるべとして,「知」はやはりかけがえのないものなのです. 
 このたび,東京大学出版会は,「UP plus」と題し,「知」の集積地である,大学からひろく社会と共有する「知」を目指して,複雑化する時代の見取り図としての「知」,そして、未来を開く道しるべとしての「知」をコンセプトとしたシリーズを刊行いたします.
 「UP plus」の一冊一冊が,読者の皆様にとって,「知」への導きの書となり,また,これまでの世界への認識を揺さぶるものになるでしょう.そうした刺激的な書物を生み出し続けること,それが大学出版の役割だと考えています.

いただきもの

www.bunshin-do.co.jp

編者の木村福成さんにご恵投いただきました。米中対立に揺れる東アジアの貿易自由化と経済統合の現状と展望に関する論文集です。

www.chuko.co.jp

 著者の伊藤亜聖さんにご恵投いただきました。中国経済研究の希望の星が変化の目まぐるしい中国を中心とした新興国の現状に真っ向から切り込んだ待望の新書です。

いただきもの

www.kadokawa.co.jp

『人財島』という小説を版元よりご恵投いただきました。以下はKADOKAWAの紹介サイトより。

大手人材派遣会社に入社した新入社員の北原は、「人財島」なる施設に出向を命じられる。島へ到着した北原を待っていたのは、「追い出し島」と呼ばれる過酷な強制労働施設だった――。

 普段小説を送っていただくことはめったにないのですが、著者の根本総一郎さんが執筆にあたって高口康太さんとの共著『幸福な監視国家・中国』を参考にしていただいたとのことです。同著の構想にあたっては私もいくつかの過去のディストピア小説を参考にしましたので、その本がまた新たな現代のディストピア小説が生まれるきっかけになったというのはとてもうれしいです。ぜひ、時間を見つけて読ませていただきたいと思います。

お仕事のお知らせ

講談社のウェブメディア『現代ビジネス』に、全3回の連載記事「日中で共鳴する新自由主義の行方」の最終回「竹中平蔵氏と中国・習近平政権、提唱する「経済政策」がこんなに似てきている」を掲載しました。竹中氏が旗振り役を務めるスーパーシティ構想が、「事前的な規制から事後的チェックを行う政府への転換」など市場における「政府の役割」を根本的に変えることを志向するものであり、それはむしろ中国の習近平政権が進めてきた洗練された(新自由主義的な)国家資本主義の形態(シーノミクス)への接近がみられるのではないか、ということを指摘しています。

gendai.ismedia.jp