梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

いただきもの

表現者クライテリオン 2020年5月号

表現者クライテリオン 2020年5月号

  • 作者:藤井聡
  • 発売日: 2020/04/16
  • メディア: 雑誌

 「『中華未来主義』との対決」という特集が組まれている『表現者クライテリオン』の最新号をご恵投いただきました(しばらく大学に行っていなかったので気が付くのが遅くなりました)。この特集はグローバリズムと「加速主義」的資本主義の象徴としての中国を、保守思想の観点から批判するというもので、従来の左右の論壇誌にない枠組みで「思想的課題としての中国」を捉える大変意欲的なものです。冒頭の與那覇潤さんが参加した座談会では随所で拙著『幸福な監視国家・中国』にも言及していただいています。リアル書店の臨時閉店が相次いでおりなかなか立ち読みする機会もないかもしれませんが、機会があればぜひご一読ください。

お仕事のお知らせ

 4月17日付けの日経新聞「経済教室」欄に、「コロナショック後の世界(下)中国、社会的分断 深刻化も」という一文を寄稿しました(有料記事)。

www.nikkei.com


 中国のコロナショックに対する経済政策は、(1)個人の所得補償よりも企業への低金利融資を重視する(2)供給面のショックが大きい局面では総需要を刺激する政策を控える(3)財政出動による景気刺激策では生産性に配慮したインフラ投資を重視するの三点に特徴づけられるもので、これは米トランプ政権などの現金給付や所得補償を中心とした労働者の救済、需要ショックへの対応を重視した経済対策とはむしろ対極にある、というのが個人的な見立てです。

お仕事のお知らせ

 見開き2ページに一つずつ現代中国政治の重要トピックが改札された文字通り、初学者にもわかりやすい中国政治のテキストとして編集されたものです。わたしも2項目を寄稿しています。

いただきもの

「都構想」を止めて大阪を豊かにする5つの方法

「都構想」を止めて大阪を豊かにする5つの方法

  • 作者:大石 あきこ
  • 発売日: 2020/04/03
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 版元よりご恵投いただきました。昨年、薔薇マークキャンペーンを通じてはじめてお会いした大石あきこさんの「原点」ともいうべき大阪都構想徹底批判の書であるとともに、全体を反緊縮スピリットが貫く対談集です。「反緊縮」といえば、消費税・新型コロナショックへの緊急財政出動を求める以下の政策提言もぜひご参照ください。

rosemark.jp

お仕事のお知らせ

『外交』Vol.19に掲載された田原史起著『草の根の中国』および梁鴻著『中国はここにある』のブックレヴュー(「『草の根』の視点からみた現代中国」)が神戸大学の学術成果リポジトリKernelで公開されました。以下のリンクからPDFを入手できます。

http://www.lib.kobe-u.ac.jp/repository/90006979.pdf


kaikaji.hatenablog.com

草の根の中国: 村落ガバナンスと資源循環

草の根の中国: 村落ガバナンスと資源循環

中国はここにある

中国はここにある

  • 作者:梁 鴻
  • 発売日: 2018/09/26
  • メディア: 単行本

いただきもの

東アジア経済史

東アジア経済史

編者のお一人である木越義則さんよりご恵投いただきました。中国の伝統経済など、日本の社会経済史の成果をふんだんに取り入れた意欲的なテキストです。