梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

最近買ったり読んだりしたもの

ウイグルの母 ラビア・カーディル自伝 中国に一番憎まれている女性

ウイグルの母 ラビア・カーディル自伝 中国に一番憎まれている女性

 読みやすいし、インフォーマティヴだし、価格も手ごろ。ぜひだまされたと思って読んでみてください。訳者の熊河さんは『ヒトラーの贋札』を訳した人なのか。


This Time Is Different: Eight Centuries of Financial Folly

This Time Is Different: Eight Centuries of Financial Folly

これも英語がとても読みやすい!だけど分厚い!ゆっくり読んでいる時間がない!どこかにまとまった評価を(日本語で)書いている人はいないだろうか。


世界恐慌と経済政策

世界恐慌と経済政策

「開放小国」の経済政策、という視点は現在の中国の経済政策を分析する上でも参考になるような・・


China during the Great Depression: Market, State, and the World Economy, 1929-1937 (Harvard East Asian Monographs)

China during the Great Depression: Market, State, and the World Economy, 1929-1937 (Harvard East Asian Monographs)

1935年の幣制改革前後における中国経済の「激動の時代」を、アイケングリーンの「金の足枷」論に代表されるような、通貨体制のレジームチェンジの視点から読み解こうとしたもの。今のところ日本ではそれほど話題になっていないが、画期的な仕事だと思う。


ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄

ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄

 迫力あるレポート。やっぱり日本人ジャーナリストの書いたものは感情移入がしやすいなあ。個人的にはスーダンなどの紛争国よりも南アやナイジェリアなど「順調に経済成長している国の秩序崩壊」についての記述の方が衝撃的だった。


 しかしサックスという人の書くものはなぜこうも官僚の作文的で現場感覚が感じられないのだろうか?たぶんイースタリーもそのへんが生理的に受け付けなくて執拗な批判を行っているのだと思うのだけど、本書を読むとサックスはなぜ自分がそういう批判をうけるのか、本当に理解できないのだということがよくわかる。