梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

土曜日のワークショップ・籠谷直人報告についてのメモ

19−20世紀における帝国主義による植民地支配のポイント

関税自主権の収奪(「自由貿易原則」の行使)
放射線状の鉄道敷設
・高めの植民地通貨レートの設定

「国民経済化(「帝国」からの自立)」のポイント

関税自主権の回復
・網の目状の鉄道敷設
・為替レートの設定権、低めの為替レート誘導
・徴兵制を通じた近代的軍事編成

華人・華僑ネットワークは、「帝国−植民地」型の経済において力を発揮する。

・強い植民地通貨は、華僑商人のアジア各国からの商品仕入れを容易にした。特に為替レートが低めに設定されていた日本からの商品購入は華僑商人にとって有益だった。
・東南アジアなどでの放射線状の鉄道敷設とそれに伴う第一次産品の生産は、現地でのプランテーション経営を通じて、多くの中国人移民労働者の流入と現地でのコミュニティ(チャイナタウン)の形成を促した。
・植民地の高い為替レートは、移民労働者の本国への送金も容易にした。