梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

感慨

負け気分(21日のエントリ参照)に襲われながら何気なく『現代思想』の巻末の広告をめくっていて気がついたのだが、『ユリイカ』の6月の特集はムーンライダーズ(しかし今なぜ?)だそうで、こりゃ忘れんうちに手に入れにゃ、などと思っている次第。
 しかし昔はこの二つの雑誌はもう少し似たような雰囲気をかもし出していたような気がするのだが・・いつからこんな風になったんだろう?なんか青土社内でも仲悪そう、というか話合わなさそうだな、この二つの雑誌の編集スタッフって(例えば『現代思想』の企画段階でウチダ先生とか小谷野敦に書いてもらおう、なんて話が出たりするだろうか?)。・・あくまでも想像ですけど。

反日=反グロ=無罪?

 というわけでしつこいですが、『現代思想』6月号の特集「<反日>と向き合う」について。まあ、いつまでも負け気分に浸っていないでやはりきちんと批判すべきところは批判しておかなくちゃ、という結論に達したわけです。

 全部の論考に目を通したわけではないのだが、少なくとも中国関連のものに関する感想を言うなら、日本の現政権を批判するのはいいのだけど、しかしそのために中国という鏡を利用する、というかつての竹内好の手法に依存し続けてどうするの、ということに尽きる。文革期の痛切な反省から、とにかくリアルな現状把握からはじめなきゃ、というコンセンサスがイデオロギーを超えて中国研究の世界では形成されていたはずなのだが、それをここに書いている人たちはどう考えているのだろうか。

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