少し前に、田島正樹先生が、ブログの中でやや唐突に石原吉郎について語っていた。この詩人の名は、僕にとっても最近の靖国問題についての議論の盛り上がりの中で、非常に気になる存在だったが、あいにく手元に一冊もその著作がなかった。というわけでようやく研究が一段落した折に、とりあえず手に入りやすい現代詩文庫『続・石原吉郎詩集』ISBN:4783708878 を注文してその作品を読み返してみた。
個々の詩について感慨深いものがいくつもあったのだけど、ここで取り上げたいのはそこに収められていた「アイヒマンの告発」という短いエッセイのことだ。
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