梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

いただきもの

荒れ野の六十年―東アジア世界の歴史地政学

荒れ野の六十年―東アジア世界の歴史地政学


 著者の與那覇潤さんよりご恵投いただきました。主にご病気の前に各種媒体に発表された、「東アジア」における歴史の語り方やを踏まえた公共圏の創出をめぐって書かれた論考が多数収められています。

お仕事のお知らせ

1月20日(月)発売の、『週刊東洋経済』1月25日号のコラム「中国動態」に、「デジタル人民元との相性いかに『民主的』なブロックチェーン」という記事を寄稿しました。

premium.toyokeizai.net

 中国政府はいわゆるデジタル人民元の発行に向けた技術的・法整備を進めていますが、その際の技術としてブロックチェーン(分散台帳技術)が用いられるのではないか、といわれています。しかし、ブロックチェーンはパブリック型にせよ、パーミッションド型にせよ、その運営・意思決定が透明・民主的であることが「売り」の技術だったはずです。それが権威主義国家である中国の法定通貨として用いられることの意味について考えてみました。

お仕事のお知らせ

 本日付の『朝日新聞』朝刊に「『幸福な監視社会』」の裏で 個人情報通じた統治、見えているか」という記事を寄稿しました。昨年8月に出版した『幸福な監視国家・中国』の内容を踏まえ、藤田省三の「『安楽』への全体主義」に関する議論を手がかりに、監視社会化が進む中国と現在の日本社会との接点について考えて見ました。有料記事ですが、よろしければご一読ください。

digital.asahi.com


幸福な監視国家・中国 (NHK出版新書)

幸福な監視国家・中国 (NHK出版新書)

全体主義の時代経験 新装版

全体主義の時代経験 新装版

いただきもの

 版元よりご恵投いただきました。上・下巻併せて900ページを超える、前作『国家はなぜ衰退するのか』をしのぐ力作だと思います。このような大著が原著出版からそれほど間をおかず翻訳されるのはありがたいですね。時間を見つけて熟読したいと思います。

お仕事のお知らせ

 雑誌『東亜』2019年12月号に寄稿した中国のマクロ経済政策の見通しに関する論考「中国経済のマクロ動向 : 積極的な財政政策と地方政府の制御は両立するか (特集 米中持久戦のゆくえ)」が神戸大学の機関レポジトリKernelで公開されました。関心のある方は下記のリンクからご覧ください。

www.lib.kobe-u.ac.jp

いただきもの

六四と一九八九:習近平帝国とどう向き合うのか

六四と一九八九:習近平帝国とどう向き合うのか

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 白水社
  • 発売日: 2019/12/25
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 編者の石井知章さん、及川淳子さんよりご恵投いただきました。以下、白水社の紹介ページ六四と一九八九 - 白水社より。

1989年に起きた一連の出来事が、急速に歪められ、忘却されつつある。その中心にあるのが六四・天安門事件である。
従来、「民主化の第三の波」(ハンチントン)や「国家超越的な共同社会」(M・ウォルツァー)への動きと理解されてきた〈一九八九〉は、いつのまにか「新自由主義革命」として矮小化されつつある。「民主化」ではなく「新自由主義」の確立がこの画期を特徴づけるというのだ。
果たしてそうなのだろうか――。本書はこの疑問から出発している。
新自由主義革命」と事態を捉えた場合、30年後に緊迫化した香港情勢はどう理解すればいいのだろうか。また「紅い帝国」(李偉東)として世界に君臨しつつある習近平体制と民主化という視角なしに果たして対峙できるのか。
本書は、アンドリュー・ネイサン、胡平、王丹、張博樹、李偉東、矢吹晋、石井知章、及川淳子という、これ以上望めない世界的権威が六四と一九八九という歴史的事件に挑んだ。
その中核にあるのは、危機に瀕しているデモクラシーと市民社会の擁護である。過去のものとして暴力的に忘却されつつある両者をいかに恢復するか。その答えが六四・天安門事件にあるのだ。現代のはじまりとしての一九八九へ。