梶ピエールのブログ

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 10月20日(月)発売の、『週刊東洋経済』10月25日号のコラム「中国動態」に「香港の民主化デモに本土の共感は広がるか」という記事を寄稿しました。現在も政府と学生・市民団体との間に緊張した状況が続く香港ですが、記事では民主化デモがなかなか出口を見いだせない背景として香港および中国本土において「政治的民主と経済的民主の対立」が深刻なことを論じました。

 この「政治的民主と経済的民主の対立」、すなわち政府のアカウンタビリティを求める学生達の要求と「われわれの生活を守れ」という庶民の声が必ずしも重ならない、という問題については、日経ビジネスウェブ版の池田信太朗さんによる「香港騒乱で「デモ潰し」に参加する若者は何を思うのか」という記事がとてもよい取材と考察を行っていますので、ぜひご覧下さい。私も池田さんの書かれていることに深く共感します。

 さて、当局とデモ隊とのにらみ合いはまだ続いており、より暴力的な鎮圧が行われる可能性はまだ消えていません。その意味で、私は下記のアムネスティ日本の緊急アクションの趣旨に全面的に賛同するものです。


香港:平和的な抗議行動参加者を守れ!


 そのウェブサイトで、次のようなアナウンスが行われています。

更新情報(2014.10.14):アクション参加者に、香港保安局から返事が届いています。その内容は、要旨「香港住民には平和的な集会をする権利はもちろん保障されているが、公共の秩序と生活に大きな影響を与える行動に対しては、今後もしかるべき措置をとる」というものです。アムネスティは、このかんの香港警察の取った措置には不法なものもあると考えています。そして、今後不法な措置をとることがないよう求める、このアクションを継続します。

 
 私はこれまで何度かアムネスティの中国政府にむけた緊急アクションに参加し、メールを送ったことがありますが、中国当局から返事のメールが返ってきたことは一度もありませんでした。しかし、今回のアクションでは確かに香港保安局から上記のような内容のメールが送られてきました。このことはやはり香港政府は北京政府とは違って、市民や外部の声に対し最低限のアカウンタビリティを果たそうとする意思は持っている、ということを示すものだと思います。
 この最低限のアカウンタビリティを、政治的民主だけではなく経済的民主の実現にとっても「使える」ものとして、今回のデモを白い目で見ている低所得者層にもその重要性を訴え、何とか守り抜いていくような戦略が必要なんじゃないかと個人的には思うのですが・・