梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

いただきもの

現代中国経済入門: 人口ボーナスから改革ボーナスへ

現代中国経済入門: 人口ボーナスから改革ボーナスへ

 昨年の12月に出版された、中国社会科学院エコノミスト、蔡昉氏による中国経済のテキストです。近年出版された中国経済に関する書籍と読み比べてみると面白いかもしれません。

お仕事のお知らせ

 外務省が出している外交専門誌『外交』のVol.59に、田原史起著『草の根の中国』および梁鴻著『中国はここにある』のブックレヴューを寄稿しています。
 この2冊は、なかなか知る機会の少ない、中国農村における人々のありのままの暮らしを伝える貴重な書物だと思います。

外交 Vol.59 特集:トランプ外交は世界をどこに導くか

外交 Vol.59 特集:トランプ外交は世界をどこに導くか

草の根の中国: 村落ガバナンスと資源循環

草の根の中国: 村落ガバナンスと資源循環

中国はここにある

中国はここにある

ワークショップのお知らせ

昨年の9月から稲葉振一郎さん、小川さやかさん、岸政彦さん、瀧澤弘和さん、山下範久さんといった面々と「所有権」について地域・時代・ディシプリン横断的に考える、という主旨の研究会を細々と行っているのですが、その一環として2月11日に以下のような公開ワークショップを開催します。気鋭の人類学者である久保明教さんをゲストにお迎えして、稲葉さんとの対話形式で進めていきます。ご関心のある方の参加を歓迎します。

所有権研究会ワークショップ
AI 時代の労働とヒューマニティを考える

稲葉振一郎(社会哲学者) × 久保明教(人類学者)

日時: 2 月11 日(火) 15:00-17:30
場所: 立命館大学衣笠キャンパス・創思館401 ・402

AI に代表される21 世紀のテクノロジーは、近代以降の「ヒト」と「モノ」の二分法をどのように変えていくのか。またそのことは、「労働」「市場」「所有」といった私たちの慣れ親しんできた概念にどう影響を与えるのだろうか。テクノロジーと人間との関係性に光をあてた著作を発表してきた稲葉振一郎明治学院大学) と久保明教(一橋大学) がSF 的想像力を駆使しつつ、問題を深く掘り下げる。

第1セッション:  AI 時代の労働・市場・所有とは(司会: 梶谷懐)
第2セッション:  機械と人間のハイブリディティをめぐって(司会: 小川さやか)
第3セッション:  SF 的想像力の射程をめぐって(司会: 小川さやか)

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AI時代の労働の哲学 (講談社選書メチエ)

AI時代の労働の哲学 (講談社選書メチエ)

銀河帝国は必要か? (ちくまプリマー新書)

銀河帝国は必要か? (ちくまプリマー新書)

ブルーノ・ラトゥールの取説 (シリーズ〈哲学への扉〉)

ブルーノ・ラトゥールの取説 (シリーズ〈哲学への扉〉)

いただきもの


 著者の磯部さんよりご恵投いただきました。現在の中国政治の動向を、伝統的な中央-地方間の緊張関係から読み解く意欲作です。

いただきもの

荒れ野の六十年―東アジア世界の歴史地政学

荒れ野の六十年―東アジア世界の歴史地政学


 著者の與那覇潤さんよりご恵投いただきました。主にご病気の前に各種媒体に発表された、「東アジア」における歴史の語り方やを踏まえた公共圏の創出をめぐって書かれた論考が多数収められています。

いただきもの

中国経済の制度分析

中国経済の制度分析

 著者よりご恵投いただきました。中国経済の様々なトピックをゲーム理論と契約理論を駆使して分析した力作です。

お仕事のお知らせ

1月20日(月)発売の、『週刊東洋経済』1月25日号のコラム「中国動態」に、「デジタル人民元との相性いかに『民主的』なブロックチェーン」という記事を寄稿しました。

premium.toyokeizai.net

 中国政府はいわゆるデジタル人民元の発行に向けた技術的・法整備を進めていますが、その際の技術としてブロックチェーン(分散台帳技術)が用いられるのではないか、といわれています。しかし、ブロックチェーンはパブリック型にせよ、パーミッションド型にせよ、その運営・意思決定が透明・民主的であることが「売り」の技術だったはずです。それが権威主義国家である中国の法定通貨として用いられることの意味について考えてみました。