梶ピエールのブログ

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お仕事のお知らせ

 
 ご無沙汰しております。6月30日(月)発売の、『週刊東洋経済』7月5日号のコラム「中国動態」に「日中で同時進行する立憲主義の揺らぎ」という記事を寄稿しました。
 習近平政権になってからの中国では現行の国家体制・憲法の枠組みの中で個々の人権擁護を訴えるような活動に関わってきた、いわゆる人権派弁護士を中心とする人々が次々と拘束・刑事告発されるようになっています。このようなここ十数年来の「憲政」の実現に向けた流れに逆行する中国の動きと、国家の行動を中長期的に縛るための憲法の解釈を、時勢に合わせて変更しようとする安倍政権の動きは、同一視することはできないが、明らかに連動したものと見なければならない、というのが私の立場です。

 領土問題をめぐる政治・外交的緊張の高まりを考えれば、国家に対する縛りを弱めようとする日中両国の動きは、決して相互に無関係に生じているわけではない。その意味で、両国における「立憲主義の危機」がより決定的な流れにならないよう、今のうちに議論を深めておくべきではないだろうか。