梶ピエールのブログ

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 11月18日発売の、『週刊東洋経済』11月23日号のコラム「中国動態」に寄稿しました。11月12日に終了した中国共産党三中全会で採択された「全面的な改革深化に関する若干の重大問題の決定」の概要だけを見て、経済改革への具体的な踏み込みについてかなり懐疑的なトーンで書いています。
 しかし、ご承知のように11月15日になって、この決定の全文が公表されました。全文の内容については、改革派の重鎮、呉敬れん氏が高く評価していることからもわかるように、この全文は司法改革や土地制度改革についてかなり踏み込んだ内容が盛り込まれています。
 そのこと自体は評価できることですが、その全文が出てくる前に書いた僕のコラムは結果として会議の性格を見誤ってしまったことになります。
 三中全会自体、改革色を打ち出した反面国家安全委員会の設立などむしろ統制を強めた側面もありますし、経済改革についてもその実効性には疑問を投げかける声も聞かれます。今後中国国内を中心に様々な論評が出てくるのでしょう。いずれにせよ、今さらながら中国について「ナマモノ」である情報を扱うのは難しいなと思い知らされた次第です。