- 作者: ベネディクト・アンダーソン,山本信人
- 出版社/メーカー: エヌティティ出版
- 発売日: 2012/03/16
- メディア: 単行本
- 購入: 1人 クリック: 3回
- この商品を含むブログ (4件) を見る
山下範久氏による書評。
http://www.nikkei.com/article/DGXDZO41348610S2A510C1MZC001/
なんか上の文章とも関連ありそうな気がしたので、未読ながらメモしておく。特に以下のような箇所。
本書にグローバル・ヒストリーの視角を与えた導きの糸は当時のアナキズムのネットワークである。リサールは強いて言えば自由主義者ではあるが、アナキストではない。だが、本書が描く帝国主義の保守的な「平和」の時代に、植民地の農村民衆の立場にいくらかでも感受性を持つイデオロギーはアナキズム以外になかった。アナキズムは無政府主義というより純化された自由主義の側面を持っており、植民地解放運動の勃興前夜において最もグローバルな対抗イデオロギーであった。またアナキストの国境を越えたネットワークの存在が、リサールをグローバルな知的交換の場に引き入れる媒体となった。いわば文明の中心に引き入れられることでリサールはスペインを遅れた専制国家として批判する視点を手に入れたのである。