梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

淡島千景さんのご冥福をお祈りします

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20120216/t10013061861000.html より。

映画「夫婦善哉」など多くの名作に出演して戦後の日本映画の黄金期を支え、ドラマや舞台でも長年活躍を続けた女優の淡島千景さんが、16日午前、すい臓がんのため東京都内の病院で亡くなりました。
87歳でした。

淡島さんは大正13年に東京で生まれ、宝塚歌劇団に入団して、戦後まもなく、娘役のトップスターとして人気を集めました。
退団後、松竹と契約して昭和25年に映画界にデビューして、はつらつとした演技で注目され、小津安二郎監督の「麦秋」やメロドラマの「君の名は」などで幅広い役柄をこなし、松竹の看板女優として活躍しました。
東宝に招かれて昭和30年に森繁久彌さんと共演した「夫婦善哉」は代表作の一つで、遊び好きの亭主に尽くす元芸者の役を演じて高く評価されました。
森繁さんとはその後も「駅前」シリーズでコンビを組んで人気を集めるなど、戦後の日本映画の黄金期を支え、舞台にも活躍の場を広げました。
テレビドラマでも、NHKの大河ドラマ第1作の「花の生涯」をはじめ、連続テレビ小説の「春よ、来い」や「芋たこなんきん」など多くの作品に出演し、存在感のある演技を見せました。

淡島千景―女優というプリズム

淡島千景―女優というプリズム

 淡島さんは僕がリアルでお会いしたことのある唯一の大女優でした。僕が拙文を寄稿した『淡島千景・女優というプリズム』の編者のお一人でもある鷲谷花さんにご紹介頂き、2008年の夏に新歌舞伎座の公演の楽屋にお邪魔させて頂いたのですが、僕のような素性の知れない若造にも「お茶でも飲んでいきなさいよ」といった感じで大変気さくに声をかけて頂いたことと、何よりも肌がとても美しかったことをよく覚えています。
 実は僕は淡島千景さんの出演した映画を観ることを通じて昭和期の日本経済の勉強をしたといっても過言ではないようなものなので、ここに追悼の気持ちを込めて過去のエントリを再掲したいと思います。合掌。

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