今日(21日)から中国出張にでることもあって、このまま8月中更新しないで終わってしまう可能性もあるので、駆け込み的にメモ的なことだけ書いておきます。ブログを欠く意欲がなくなったわけではないのだが、twitterをやりだしてからとにかく入ってくる情報がこちらの処理能力を超えていて・・
さて、中途半端ながら更新しようと思ったのは下の記事で紹介した、エイズ患者、同性愛者、少数民族などマイノリティの人権問題に取り組んできた中国のNGO「北京愛知行研究所」に関する追加情報をゲットしたから。twitterで流したところそれなりの反響があったのでここでまとめておきます。
『世界』9月号に、麻生晴一郎さんによる、最近の中国のNGOの活躍や政府との衝突について紹介した記事「公民社会への道」によると、「北京愛知行研究所」は今年の3月から4月にかけ当局の徹底的な立ち入り調査や妨害活動を受け、万延海所長は活動の場を米国に移していたという(ハイラット・ニヤズ氏の判決に対する抗議声明が出されたのは所長の出国後)。ただ、今年に入ってから当局の締め付けを受けたのは、愛知行研究所だけでなく、他にも北京大学参加のNGOがいくつも閉鎖に追い込まれたりしているとのこと。
ただ、今年の3月から4月にかけてというと、同研究所がちょうど下に紹介したウイグル人の人権問題に関するレポートを発表した時期で、そのことと当局のガサ入れを受けたことや所長が中国を離れたこととが無関係とはとても思えないのだが・・できればその辺ももう少し突っ込んでもらいたかった。
ちなみに、気になって「万延海」でぐぐってみたところ、彼の5月の米国出国のニュースは、AP通信などが伝えているものの、日本で報道したのは僕の見た限りでは産経と新唐人テレビのみ・・・トホホ。
ちなみに『世界』の9月号は中国特集だったのだが、麻生さんの記事などは面白かったものの、全体的にみると・・うーん「微妙」としか言いようがないな。自分も最近は時々(もっとマイナーな)月刊誌に記事を書いているのでアレだけど、こういう中国関連の情報を月刊誌で読む意味というのはどんどん薄れてきていると思う。事実を追うだけならはっきり言ってネットで十分だしね。まだ『新世紀』とか『南風窓』とかいった生きのいいメディアの記事を定期的に翻訳して紹介する仕組みを考えたほうが意味があるんじゃないのかな。あるいは今旬の加藤嘉一氏に定期的に記事を書かせるとか、安替のようなネットで活躍する(したがって簡単に連絡のつく)中国人ジャーナリストに原稿を依頼するとか、彼らと迷路人を対決させるとか・・いろいろ面白い企画はできそうに思うんだが。
さて、今月の論壇誌に載った中国関係の記事では、すでにあちこちで話題になっているけど、『中央公論』古畑康雄さんの「人民の芸術家蒼井そら老師をフォローせよ」記事が出色。これは中国のネット世界に関心があるものなら誰でも知っている現象を、興味本位で取り上げるのではなく社会的な背景を押さえた上での意味づけを抑えたもの。本来論壇誌に載る文章というのはこうでなくちゃね。まだ読んでない人は立ち読みとか図書館でも一度お読みください。
さて、次はいつ更新できるやら・・