体制移行の政治経済学 -なぜ社会主義国は資本主義に向かって脱走するのか-
- 作者: 中兼和津次
- 出版社/メーカー: 名古屋大学出版会
- 発売日: 2010/02/24
- メディア: 単行本
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どうもありがとうございます。最近、1940年代生まれ(というと大雑把なくくりに過ぎますが)の研究者による、社会主義経済とは何であったかをあらためて問い直す著作が相次いで出版されているような気がするのですが、やはり1989年から20年、という一つの時代の区切りを迎えたということでしょうか。先に紹介した盛田氏の著作がエッセイ風の論考も含め多面的に「ポスト社会主義経済」の問題をとらえようとしているのに対し、本書は理論と実証の両面からガチにこの問題に取り組んだより重厚な内容の書物といってよいでしょう。コルナイや青木昌彦など、社会主義経済からの移行問題を主流派経済学的な手法で分析した研究に関心がある人に特にお勧めしておきたいと思います。