梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

減少する中国の外貨準備

 中国が追加的な利下げと預金準備率の引き下げを行ったことは日本の各メディアでも報じられた。その中国の外貨準備残高(ドルベース)が、10月には前月に比べて約150億ドル減少しているらしい。
http://www.caijing.com.cn/2008-12-23/110041729.html

 これをみれば、一時期ささやかれた「中国政府は輸出企業を救済するために元安介入を行っている」という憶測が根拠のないものである、ということは明らかになったといってよい(参照)が、『財経』の記事によれば、外貨準備の減少から直ちに中国国内市場からのキャピタル・フライトが生じていると断定はできず、外貨準備の中の一定割合を構成しているユーロの減価、SWFによるアクティヴ運用による含み損、ならびに今年八月の「外国為替管理条例」の改正などがその原因として考えられる、という。特に外貨準備高に閉めるユーロの比率を中国政府がどの程度増やしていたのか、という点は非常に興味深い。今後も引き続き中国の外貨準備の動向には十分注意を払っていく必要がありそうだ。