梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

「新疆」とウイグル人をめぐるステレオタイプ

http://www.thenewdominion.net/170/online-humor-affirms-xinjiang-stereotypes/
http://msittig.wubi.org/imgs/china-map-beijingers.jpg

 「小偸的老家」とは「スリ(あるいはこそ泥)の故郷」を意味する。僕も北京にいるころは「新疆村には子供のスリが多いから気をつけろ」と漢族の知人から何度も言われたものだ。また新疆の天山天池に旅行したときにはカザフ人のガイドにまで「ウイグル人は人を騙すから気をつけろ」と注意された(あとでそのガイドにしっかり騙されたが)。その他の新疆のイメージとしては「干し葡萄」「羊肉串(ケバブ)」「美女(ウイグル人女性はそのエキゾチックな顔立ちが漢族男性の間で人気が高い)」「東突(東トルキスタンの独立勢力)」などといったキーワードが並ぶ。女性の人気が結構高いのに男性に対する評価が最悪なのは日本人も負けていないかもしれない。

 下の写真は10年前にカシュガルに行ったときに出会った子供達。たぶん大都市のウイグル人コミュニティではこんな表情の子供達にはまずお目にかかれないだろう。「他者」に対するステレオタイプを崩すにはこういった具体的な「顔」との出会いを重ねるしかないのだが、そんな機会にめぐり合えるのはほんの一部の人々に限られるのが難しいところだ。