梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

不思議な題名の本


 本屋で偶然「北京五輪に群がる赤いハゲタカの罠 」という題名の本を見かけた。そのタイトルから、てっきり「商業主義化したオリンピックに群がるハゲタカの様な金融資本が北京の不動産や国有企業を買いあさり、やがて中国の社会をメチャクチャにしてしまう、この民族存亡の危機に全ての中国人は立ち上がらねばならないし、アジアの隣人たる日本はその闘いを支援しなければならない!」というような主張にあふれた本かと思った。

 しかし、ぱらぱらとめくってみると、これはどうも「「貿易で貯め込んだ世界一の外貨保有高」を元手に世界の富を買いあさり、やがてはアメリカに取って代わる世界覇権国家を目指す中国の野望」を暴き出した本のようだ。老婆心ながら、それならタイトルも「落日のアメリカ(もしくは日本)に群がる赤いハゲタカのナントカ」にしたほうがいらぬ誤解を与える余地がなくてよかったのではないだろうか。もっともこれは上記のような愛国的な中国人にも間違って買わせようという高等戦術、なのかもしれないけど。
 
 それにしても、この論理展開はすごいですね。

2008年8月8日午後8時8分に開幕する北京五輪。なぜ中国は「8」にこだわったのか?
そこには北京五輪を踏み台に、アメリカに取って代わる世界覇権国家を目指す中国の野望が隠されている。

単に「8」が中国人にとって縁起がいいからではなかったのか!!


※秀逸なブクマコメント

8にこだわると言えば888-8888のダック引越しセンター、ダックといえば北京ダック、北京といえば北京オリンピック?!謎は全て解けた!