ガーシェンクロンに続き、MINERVA人文・社会科学叢書キター!
ハーシュマンは新古典派経済学に批判的な開発経済学者にしてユニークな社会思想家として知られるが、この本のコア概念である「離脱・発言・忠誠」は、市場競争をいわゆる完全競争ではなくより独占的競争に近いものとして理解する際に重要な概念として、スティグリッツを初めとした主流派の経済学者からも注目されてきたものである。だから、そのメッセージは決して「反経済学的」につながるものとして理解されるべきではない、というのは『幸福の政治経済学』という本について田中秀臣さんがブログで触れられていたことと同じ。そういう意味で、この本の「訳者あとがき」はかなりの警戒心を持って読まなければならない、というのは、これも先日ブログでとりあげたとある訳本と同じ。