梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

お仕事のお知らせ

 今年の2月にパネリストとして登壇した21世紀政策研究所セミナー「中国の重要政策を展望する ─科学・マクロ経済・新疆問題-」の模様が新書(PDF)の形にまとめられて同研究所のウェブサイトで公表されました。リンクはこちら↓です。

http://www.21ppi.org/pocket/pdf/97.pdf

益尾知佐子さん、熊倉潤さん、川島真とご一緒させていただいています。
よろしければご一読ください。

お仕事のお知らせ

 本日付の東洋経済オンラインに、「中国の市場化改革「最終段階」における重要な課題」という論考を寄稿しました。習近平政権が進める「供給サイドの改革」のいわば本丸にあたる要素市場改革の動きについて、その狙いと昨年以来の「共同富裕」の協調との関係について解説しました。
toyokeizai.net

 なお、この記事は、独立したグローバルなシンクタンク「アジア・パシフィック・イニシアティブ(API)」の専門家で構成される「API地経学ブリーフィング」による、「 ポストコロナのメガ地経学」と題したシリーズのコンテンツです。ここしばらくは中国研究者による寄稿が続いていますので、現在の中国政府の動向あるいは中台関係に関心のある方は是非一度ご覧になってみて下さい。

toyokeizai.net

いただきもの

www.toho-shoten.co.jp

 昨年4月に急逝された、原洋之介先生の遺著を追悼企画の発起人の方々よりご恵投いただきました。やはり書籍工房早山から(非売品として)出版された追悼文集もあわせてお送りいただいています。この著作について、並びに梶谷にお送りいただいた経緯については1年前のブログ記事をご覧ください。

kaikaji.hatenablog.com

 上記のブログ記事でも書いていますが、本書の中国経済に関する記述のところでは、拙著『中国経済講義』『幸福な監視国家・中国』をたびたび引用していただいています。追悼文集でいろいろな方が指摘されていますが、それぞれの地域における歴史的・文化的個性への注目・尊重と、経済理論に代表される社会科学としての普遍性の追求をいかに両立させるか、という問いが原先生が生涯取り組まれた知的課題だと言ってよいかと思います。残念ながら現在の経済学アカデミアでは、このような問い自体がほとんど意識されることがなくなった(いうまでもなく、普遍性の追求のみが経済学の学問的課題だ、という認識がますます強くなりつつあるので)わけですが、かねてより原先生の問題意識に共感を抱いていた者として、微力ながらその衣鉢を継いでいきたい、との思いを強くした次第です。