梶ピエールのブログ

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2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

嗤う日本のナショナリズム

ここしばらくのエントリーの流れからいくといかにも唐突のようだが、ここのところ北田暁大さんの『嗤う日本のナショナリズム』ISBN:4140910240 のことが非常に気になっている。自分としては彼の示す見取り図にかなり違和感を抱いているのだが、まだなかなか…

大橋英夫『現代中国経済論』岩波書店

とりあえず買ってぱらぱらめくっただけでちゃんと読んではいないのだけども・・ かならずしも中国経済に関する最良のテキストというわけではないかもしれない。しかし、現在の日本の中国経済研究の水準、すなわち中国経済プロパーと呼ばれる人々がどんな点に…

『中国の嘘』の書評

21日の日記(id:kaikaji:20050321)でも少し触れた何清漣『中国の嘘―恐るべきメディア・コントロールの実態』(扶桑社)だが、3月27日付け日経新聞の書評欄で、毛里和子氏が、安直な「反中本」とは一線を画す、「情報は正確かつ圧倒的で、メディア・コントロ…

中国の石炭産業とGDP統計の謎

26・27日と研究会合宿に参加(詳細はこちら)。アジア経済研究所の堀井伸浩さんの報告が面白かった。一般にエネルギー産業として石炭産業は「斜陽産業」として捉えられており、中国のような途上国の石炭への依存度の高さは産業構造の「遅れ」として捉えられ…

人間のための通貨(システム)か通貨のための人間か

「燃えてる人の本」谷口吉彦『通貨燃ゆ』日経新聞社 黒田本の悪口を書いた後だったこともあり、本屋で見かけて衝動買いしてしまったのだが、なんというか黒田本についての批判がほとんどそのままあてはまりそうなうえに、この人も人民元や中国経済についてあ…

2冊の本におけるユーロ評価から

帰りの電車の中で坂田豊光『欧州通貨統合の行方』』(中公新書)を読んでいて、段々腹が立ってきた。いや、といってもこの本に対してではない。基本的にきちんと現実のデータに即して通貨統合の成果と問題点をバランスよく論じた良書なのではないかと思う。…

お土産と中国での調査と女体盛

今日青島から帰国。昨日はお土産を買い揃えるべく青島市内のジャスコとその周辺にあるブックセンターに行って抗日戦争ドラマ『記憶の証明』のVCDと江沢民の伝記を手に入れてきた。読みたい本やビデオはいっぱいあるのに何が悲しくてこんなくだらないものを読…

青島より報告

今日でようやく調査終了。今回の調査の目的は主に地元の私営企業を回って資金調達や企業間信用の実態を調べるという自分で言うのもなんだが非常に地道な作業で、まあ協力者に恵まれたこともあってなかなか面白い話が聞けたのだが、そこからどれだけ一般性の…

済南より

上海は立ち寄っただけで今朝の飛行機で今回の調査地である山東省の済南に入る。済南のホテル状況は上海に比べて格段によい。一般に田舎に行くと値段は安いものの設備やサービスの点で劣るものだが済南では設備やサービスでは上海の最高クラスのホテルに引け…

上海より

もともと海外では更新しないようにする方針だったのだが、海外に出かける谷間の時間というのは限られた時間の中でいろいろ予定を詰め込むためほとんど身動きができず、いい加減ネタもフラストレーションもたまっているので、こうやって合間を見て小出しにす…