梶ピエールのブログ

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お仕事のお知らせ

 前回からだいぶ時間が空いてしまいましたが、朝日出版社第二編集部のブログ「現代中国:現在と過去のあいだ」を更新しました。

第2章:左派と右派のあいだ(1)──毛沢東はなぜ死な(ね)ないのか──

 まだ記憶も新しい昨年9月の一連の反日デモやそれに続く暴動の報道で、毛沢東の肖像を高く掲げた人々の姿がテレビに映し出されたことに、名状しがたい思いにとらわれた人々は少なくないだろう。現在の中国社会に様々な矛盾が存在し、それが反日という形で吹き出している。そこまでは何とか理解できる。だが、それがなぜ、毛沢東の肖像を掲げながらなされなければならないのか? そもそも、毛沢東は中国の庶民にとって本当の「味方」などではなかったはずだ。毛沢東が君臨した時代、大躍進の失敗による大飢饉や文革によって吹き荒れた暴力によって、何千万人という人々が犠牲になったことは、中国共産党の公式見解においてさえ認められてきた否定しようのない事実である。過去にそういった重大な失政を行ったはずの毛沢東という人物が、未だにあのような形で信奉されており、あまつさえ多くの人々がその時代に戻してくれ、と叫んでいる事態を、いったいどう考えればいいのだろうか?

以下は朝日出版社のサイトで!