梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

メモ

下のエントリのようなことを考えていたら光文社新書から仲正昌樹さんの新刊『日本とドイツ 二つの戦後思想』が出たことを新聞広告で知ったので早速買って帰りの電車の中で読む。
 テーマがテーマだけにあのクセのある「芸風」も最小限に抑えられ、戦争責任・ナショナリズムマルクス主義ポストモダニズムといういずれも重量級の課題について、それらがドイツと日本のそれぞれの戦後という文脈におかれたときどのような固有の意味を持ってきたのか、非常にわかりやすく親切に解説してくれている。
 ドイツにおける戦争責任への取り組みに対するスタンスは基本的に石田勇治『過去の克服』ISBN:4560028362 などと同じだと思うが、これだけ広い思想的視角から(あと経済の視点があれば言うことないんだが)ドイツと日本の戦後を比較したものは著者自身「あとがき」で語っているようにほとんど見当たらないと思うので、まずはおすすめの一冊です。