梶ピエールのブログ

はてなダイアリー「梶ピエールの備忘録。」より移行しました。

戦争

8月のニュルンベルグ

仮に百歩譲って「8月→終戦→戦争責任→東京裁判」という連想から東京裁判を題材にしたドキュメンタリーがこの時期に放送されるのはまあ理解できるとしても(極東軍事裁判の判決は11月)、ニュルンベルグ裁判やアウシュビッツ裁判についてまでも8月に考えなけ…

8月だからしょうがない

先日の参議院選挙の結果に、久間前防衛相の「しょうがない」発言がどの程度影響を与えたのかは分からない。ただ、上のエントリとのからみでいえば、あの一件は日本社会における「8月ジャーナリズム」の「しぶとさ」「相対化の難しさ」を示すものとして解釈で…

佐藤卓巳・孫安石編『東アジアの終戦記念日』ちくま新書

前著『八月十五日の神話』はあちこちで話題になった力作だったが、日本の「8月15日神話」と対比されるべき周辺国の終戦記念日の説明について、若干の疑問点も提起されていた(id:kaikaji:20050912)。恐らくこういった批判を踏まえてだろう、佐藤卓巳氏が戦…

小林英夫『日中戦争』講談社現代新書

さて、前に加藤陽子さんの本を紹介してから随分間が開いてしまったが、また日中戦争がらみで。といってもこちらは一応満州事変からの動きもフォローされているものの、その焦点はどちらかといえば開戦から戦線が次第に泥沼化していく過程に当てられている。…

優等生だったはずなのに・・

満州事変から日中戦争へ―シリーズ日本近現代史〈5〉 (岩波新書)作者: 加藤陽子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2007/06/20メディア: 新書購入: 3人 クリック: 66回この商品を含むブログ (49件) を見る 岩波新書は新赤版になってから重量級の作品が増えたよ…

「厳原閥かもしれない・・いやそうに違いない症候群」

神聖喜劇 (第1巻)作者: 大西巨人,のぞゑのぶひさ,岩田和博出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2006/05メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 60回この商品を含むブログ (52件) を見る 先日、マンガ版『神聖喜劇』(が手塚治虫文化賞(「新生賞」)を受賞した。 h…

石原吉郎のヒロシマ批判

少し前に、田島正樹先生が、ブログの中でやや唐突に石原吉郎について語っていた。この詩人の名は、僕にとっても最近の靖国問題についての議論の盛り上がりの中で、非常に気になる存在だったが、あいにく手元に一冊もその著作がなかった。というわけでようや…

ウチダ先生は(やっぱり)えらい

最近、特に中国問題に関心を持ち出してからのウチダ先生のエントリにはとかくハラハラさせられることが多いわけだが、昨年出た『死者と他者』ISBN:4874154980 はやはり名著なのではないだろうか。内容的にはレヴィナスの問題意識を受け継ぎながら「死につい…

反日と反戦をめぐる三題噺。

実は先週末は金曜の夜から二泊三日で沖縄に遊びに行っていた。この時期沖縄に行くことはバースデー割引が使えるからということでだいぶ前から決めてあったのだが、その行きの飛行機で読んだのが仲俣暁生さんのエントリid:solar:20050407で紹介されていて興味…

mojimoji氏への応答

はっきり言ってこの問題に関する関心は限定的なものであるつもりだったし、中国の現状とかこれも戦争責任と法と正義をめぐって慰安婦問題ほどではないが社会問題になった「東史郎裁判」との関心とのからみから考えを述べたわけで「法の外に正義を想定しない…

さらに参考文献(日中戦争および東史郎裁判をめぐって):

水谷尚子「私はなぜ東史郎氏に異議を唱えるか」(『世界』1999年8月号) 孫歌「日中戦争―感情と記憶の構図」(『世界』2000年4月号、『アジアを語ることのジレンマ』岩波書店に収録) 溝口雄三「日中間に知の共同空間を創るために」(『世界』2000年9月号) …

メモ

http://blog.tatsuru.com/archives/000712.php参考文献: 上野輝将「「ポスト構造主義」と歴史学 ―「従軍慰安婦」問題をめぐる上野千鶴子・吉見義明の論争を素材に」 『日本史研究』509号 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jhs/zassi.html

あえて民衆法廷について語ってみる。

以前にも書いたように、NHKの番組改ざんおよびそこで問題になっていた民衆法廷(女性国際戦犯法廷。以下「民衆法廷」で統一)の問題は、当初なんとなく気乗りがしなかったのだが、id:mojimojiブログでの議論を受けたhttp://alicia.zive.net/weblog/t-ohya/お…